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報酬額決定への関与否定 案里氏秘書第2回公判 法廷でのやりとり【詳報】

2020/5/19 21:45
第2回公判を終え、顔を隠しながら広島地裁を後にする立道被告(19日午後4時58分)

第2回公判を終え、顔を隠しながら広島地裁を後にする立道被告(19日午後4時58分)

 広島地裁で19日にあった自民党の河井案里氏(参院広島)の公設第2秘書立道浩被告(54)の第2回公判。昨年7月の参院選で車上運動員に法定上限を超える報酬を払ったとして、公選法違反(買収)の罪に問われた被告側は、報酬額の決定に関与していないなどとして、ほう助犯にとどまると訴えた。罪状認否や被告人質問の詳報は次の通り。

 【罪状認否】

 被告 車上運動員に法定額を超える報酬が支払われるのを知りながら、勤務日数などを会計担当者に伝えたりするなどしたことを認める。ただし、共犯者が(河井克行氏の政策秘書の)高谷真介氏と事務長男性の2人になるのかは分からないし、私の行為が共同正犯者と評価されるべきものかは分からない。

 今回の報酬金額は、多くの選挙で車上運動員に支払われている常識的な金額だと聞いていたので、事件当時、自分の立場としてどうすべきであったのか、いまだに明確な答えが見いだせないが、結果として、今回の事件が世間を騒がし、多くの方々にさまざまな迷惑を与えるに至ったことは大変残念で申し訳なく思う。

 弁護人 車上運動員に法定額を超える報酬が支払われたことは争わないし、被告が供与行為に一定の関与をしたことは争わないので有罪となること自体は争わない。

 しかしながら、法律上の主張として、被告の本件犯行への関与態様は正犯ではなく、ほう助犯が成立するにすぎないことを主張する。被告が犯行で果たした役割は、要約すれば、選挙事務所の方針として車上運動員の報酬が法定額を超える3万円となったことを知って、それを他の者に伝えたこと、報酬の支払時期などについて連絡をとりあったこと、車上運動員の出勤状況を確認して出面表を作成して報酬額を会計担当者に伝えたことに尽きるのであり、報酬額をいくらにするかの決定には一切関与していないし、その金額の多寡についての利害関係も一切ない。もちろん、そのような報酬の出えんにも一切関与していない。実行正犯はもとより共謀共同正犯と評価できるものではなく、せいぜいほう助犯となるにすぎない。なお、検察官がしきりに立証しようとしている遊説活動に関する被告の行為の全ては、選挙事務所の事務員の1人として遊説活動を担当させられたため、必然的に行わざるを得なかった職務であり、仮に報酬額が法定限度内の適法な場合であったとしても、当然に必要とされる行為でしかなく、正犯性を基礎付けるものではない。

 【被告人質問】

■弁護側

 弁護人 検察側は冒頭陳述で遊説担当の責任者として業務を記載している。間違いないか。

 被告 備品や消耗品の購入原資を用意したというのは違う。会計には全く携わっていなかった。

 弁護人 二つの車上運動員グループの募集や依頼には関与していないのか。

 被告 はい。

 弁護人 選挙カーの手配は誰がしたのか。

 被告 高谷真介さん。

 弁護人 ガソリンの供給契約の手続きは誰がやったのか。

 被告 会計担当者。

 弁護人 運動員のコスチュームは誰が用意したのか。

 被告 会計担当者。

 弁護人 車上運動員の弁当の手配はしたのか。

 被告 していない。

 弁護人 遊説に必要なお金は誰が管理していたのか。

 被告 会計担当者。

 弁護人 車上運動員のシフトは誰が決めた。

 被告 各グループのリーダーが作成したシフト表を行程表に入れていた。

 弁護人 行程表はどうやって作るのか。

 被告 克行氏や案里氏から行きたい場所などを細かく伝えられたものを基に作成した。

 弁護人 車上運動員が1日3万円で働いていたのは間違いないか。

 被告 はい。

 弁護人 3万円は人から聞いたのか。

 被告 はい。昨年6月5日ごろ、一方の車上運動員グループのリーダー役が選挙事務所を訪れた後、事務長男性が報酬のことでぼやいていたので、もう一方のグループの報酬はいくらなのか聞くと、事務長が「1日3万円」と答えた。

 弁護人 事務所を訪れたリーダー役のグループも1日3万円と知った経緯は。

 被告 記憶が非常にあいまいだが、リーダー役から報酬の問い合わせがあり、事務長に尋ねたところ、答えがあいまいだった。私が「もう一つのグループの金額でいいんじゃないですか」と言ったら、(事務長が)「じゃあそれでいこう」となった。

 弁護人 日程が予定通りに進まないときはあなたが調整するのか。

 被告 はい。

 弁護人 車上運動員グループのリーダー役が週刊誌の取材を受けた際、あなたから「1日1万5千円しか支払っていないと言え」と指示があったようだが。

 被告 マスコミに騒がれたくなかった。

 弁護人 1日1万5千円の報酬で、車上運動員は集まると思うか。

 被告 集まらないと思う。

 弁護人 選挙違反と分かっていながら、1日3万円でないと集められないためやってしまったのか。

 被告 はい。

 弁護人 今も案里氏の公設秘書か。

 被告 はい。

 弁護人 今後どうしたいのか。

 被告 秘書の仕事をしたいと思う。

 弁護人 公設だから国家公務員。禁錮以上の刑なら資格を失う。それは避けたいということか。

 被告 はい。
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