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尾道の人気飲食店、「密」対策に腐心 出入り口開放、消毒徹底、入店制限…

2020/5/21
出入口を開放して営業する「つたふじ」(尾道市土堂)

出入口を開放して営業する「つたふじ」(尾道市土堂)

 新型コロナウイルスの感染予防対策を巡り、尾道ラーメンをはじめとする尾道市中心部の人気飲食店が頭を悩ませている。個人で切り盛りする店では可能な対策が限られる上、客足回復の見通しも今のところ不透明。これまでのように人情味のある接客をするのも難しいのが現状だ。

 行列のできる人気店が集中する同市土堂の海岸通り。尾道ラーメンの老舗「つたふじ」は現在、平日の昼時に数人が並んでいる。11席のカウンターが満席にならないようにお願いしているためだ。出入り口や裏口を開放し、換気にも念を入れる。

 客足が戻ってくれば、満席にしても週末の日中で20人前後が列をなす。店主の仁井博明さん(68)は「忙しい時は調理にかかりきりになる。チェーン店のように厳格な対策は難しい」と渋い表情。手の消毒や空き席の確保などを、どうしても客側に委ねることになる。

 アイスクリーム店「からさわ」も、入店を2人に制限。店内の飲食コーナーは閉鎖し、持ち帰りのみで営業している。唐沢鎮男店長(55)は「店内でゆっくり過ごしたいお客のニーズもある。密にならないよう工夫しながら、制限を緩めていきたい」と話す。

 緊急事態宣言の解除後、通りには人の往来が戻りつつある。それでも以前のように、長い行列ができるほどではない。36席と比較的広い「尾道ラーメン 壱番館」の升元泰造店長(65)は「今は昼時も密になりようがない状態。まず来店してほしい」と口にする。

 尾道の飲食店は、観光客が地元住民や店主と会話を楽しめる距離の近さも特徴だ。尾道本通り商店街にある「めん処(どころ)みやち」店主の加藤滋さん(71)は「観光客がまちの魅力に触れる機会でもある。仕方ないが、声を掛けづらいのはさみしい」とこぼす。尾道らしさも含め、再び気兼ねなく味わってもらえるよう願っている。(田中謙太郎)

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