地域ニュース

河井夫妻公選法違反事件 被告人質問の要旨

2020/5/26 23:23

 広島地裁で26日にあった自民党の河井案里氏(参院広島)の公設第2秘書立道浩被告(54)の第3回公判。昨年7月の参院選で車上運動員14人に法定上限を超える報酬を支払ったとして公選法違反(買収)罪に問われた立道被告が捜査段階で当初は、案里氏の夫の克行前法相(衆院広島3区)をかばう供述をしていたことなどが明らかになった。弁護側と検察側による被告人質問の要旨は次の通り。

 【被告人質問】

■弁護側

 弁護人 あなたは車上運動員の報酬額を決める決定権限があったか。

 被告 いいえ。

 弁護人 一方の車上運動員グループの報酬額決定のいきさつは知っているか。

 被告 よく覚えていない。私は選挙事務所で遊説の行程表を作るのが仕事だったから。

 弁護人 会計担当者に出面表を渡すことは仕事なのか。

 被告 いいえ。

 弁護人 車上運動員の報酬はどのようにして支払うのか。

 被告 会計担当者が出面表を確認して支払う。

 弁護人 あなたは車上運動員の報酬を知る必要があるのか。

 被告 いいえ。

 弁護人 出面表を作り、金額を計算したのはなぜか。

 被告 一方の車上運動員グループのリーダー役から早く支払ってほしいと言われ、出面表を管理していたので、会計担当者の負担を減らすために会計担当者に渡した。

 弁護人 その方がスムーズに行くと思い、出面表を作成して会計担当者に渡したのか。

 被告 はい。

 弁護人 どうして金額まで書いたのか。

 被告 その当時、金額を知っていたから。

 弁護人 分かりやすいようにしたのか。

 被告 はい。

 弁護人 もう一方のグループの出面表も作って渡したのはどうしてなのか。

 被告 一緒につくり、一度に済ませようと思った。

 弁護人 便宜を図ってあげたということか。

 被告 はい。

 弁護人 あなた自身が自分の仕事ではなかったから記憶があいまいなのか。

 被告 はい。

 弁護人 そのころの体調はどうだったか。

 被告 風邪をひいて、せきが止まらなかった。6月上旬から7月上旬の1カ月。熱が出た。

 弁護人 医者には行ったのか。

 被告 時間がなかったので行かなかった。

 弁護人 市販のかぜ薬を飲んでいたのか。

 被告 はい。

 弁護人 薬を飲んで何か影響はあったか。

 被告 ぼーっとしていた。

 弁護人 その関係もあって、そのころの記憶はあまり残っていないのか。

 被告 はい。

 弁護人 体調が悪いことは誰かに伝えたか。

 被告 妻に熱が出てしんどいと、LINE(ライン)した。

 弁護人 それは検察官にも言っているか。

 被告 はい。

 弁護人 前回の公判で一方の車上運動員の報酬が決まっていなかったので、事務長男性が「それ(もう一つのグループの金額)でいこう」と言っていたなどと説明した。記憶としてはっきり覚えているか。

 被告 いいえ。あいまいでうっすらしかなくて、事務長が「それでいこう」と言ったようなうっすらとした記憶だ。

 弁護人 それは今回の車上運動員の報酬のことなのか、まったく別のことなのかはどうか。

 被告 このことだったかもしれないし、よく覚えていない。

 弁護人 事務長に「それでいこう」と言われたことだけは印象に残っているのか。どういうことだったのかははっきりしないのか。

 被告 はい。

 弁護人 事務長は報酬を決めることができたのか。

 被告 いいえ。

 弁護人 そうすると、事務長とあなたで報酬を決めることができたのか。

 被告 いいえ。

 弁護人 最終的に報酬額が3万円であると分かっていましたよね。

 被告 はい。

 弁護人 どのようにして決まったと思うか。

 被告 ほかの誰かから聞いたのかもしれない。

 弁護人 誰ですか。

 被告 (克行氏の政策秘書の)高谷(真介被告)だったかもしれない。

 弁護人 高谷さんから報酬は3万円という内容を聞いた記憶はあるか。

 被告 はっきりとした記憶はありません。

■検察側 

 検察官 昨年6月上旬から遊説の行程表を作っていたのか。

 被告 はい。

 検察官 克行氏の政策秘書の高谷被告からの指示か。

 被告 はい。

 検察官 高谷秘書は誰かの指示を伝えていたか。

 被告 河井克行さんです。

 検察官 遊説のルートの作成には、案里氏や克行氏の指示を聞いていたか。

 被告 はい。

 検察官 案里氏の希望はあったか。

 被告 ありました。

 検察官 車上運動員が訴える内容の指導はしていないのか。

 被告 はい。

 検察官 車上運動員のグループのリーダー役には、あなたから車上運動員にこういうことを言わせてというLINE(ライン)をしていますね。

 被告 はい。

 検察官 それは指導したのではないのか。

 被告 こういうことを話してくださいと伝えられたから、伝えただけです。

 検察官 誰に。

 被告 克行さんです。

 検察官 克行さんに言われた通りに内容を伝えたのか。

 被告 はい。

 検察官 会計担当者は、あなたが渡した(出勤日などの)一覧表を見て、支払っただけではないのか。

 被告 私に聞かれても。

 検察官 会計の決裁は誰に受けるのか。

 被告 その辺は分かりません。想像でしか言えないので。

 検察官 (あなたが)2012年の選挙の手伝いをしていた時、車上運動員から報酬は3万円ぐらいだよという話を聞いたと話していましたよね。12年の選挙は誰の選挙ですか。

 被告 河井克行さんです。

 検察官 河井克行議員が立候補した衆院議員選挙。車上運動員からそういうことを聞いたということですね。

 被告 別の選挙でももらっている、別の方の選挙でももらっているということを言われていました。

 検察官 昨年6月5日に事務長と車上運動員のグループリーダーの女性と打ち合わせをしていますね。

 被告 はい。

 検察官 事務長に「3万円でいいんじゃないですか」と言ったか。

 被告 よくは覚えていないが、そのような言い方をしたのだと思う。

 検察官 検察の取り調べで、報酬額について事務長だけじゃなく高谷被告とも話したと説明していますね。

 被告 はい。そのようなこともあると思って、記憶の点と点をつないだ。

 検察官 (逮捕後の)3月19日の取り調べで、「6月5日の打ち合わせの後に、事務長に(報酬額を)聞いといてくださいと言った意味は、克行氏に聞いといてくださいよという意味だった」という趣旨の説明をしたか。

 被告 はい。

 検察官 同じ日の取り調べで、高谷被告から「聞いとく」と言われたことも記憶にあると説明していないか。

 被告 しています。

 検察官 「聞いとく」の相手は克行氏だと思ったという説明はしなかったか。

 被告 はい。

 検察官 事務長に言ったことや、高谷被告が「聞いとく」と言ったことは、今は覚えてないという説明をしていますね。

 被告 「記憶があいまいだ」ですね。

 検察官 あなたは逮捕前の1月17日から3月24日の起訴まで取り調べを受けている。あなたは記憶喚起の努力をしていた。

 被告 していました。

 検察官 なぜ一つのグループの報酬額の決定について、起訴後の約2カ月で記憶があいまいになるのか。

 被告 言っていることがよく分かりません。

 検察官 あなたが覚えてないと言っていることは、いずれも克行氏につながる話じゃないのか。

 被告 よく分かりません。

 検察官 あえて、克行氏につながる話をしたくないんじゃないのか。

 被告 そんなことはありません。

 検察官 あなたは検察官の取り調べに対して、「最初は克行氏をかばって、克行氏が遊説に口を出していたこととか、会計を管理していたことを供述してなかった」と話していますね。

 被告 言われている意味が分かりません。

 裁判長 検察官が聞いているのは「最初のうちは克行氏の関与について説明していなかったでしょう」ということ。それはイエスなのか。

 被告 はい。

 裁判長 取り調べが進んで行くに従って、関与を話すようになったのかという質問。それもイエスか。

 被告 過程があって、思い出した話をしていった。

 検察官 「かばう気持ちがあった」と話していなかったか。

 被告 いつかしたかもしれません。あんまり覚えていません。

 検察官 かばっていた理由については、3月23日に作成した供述調書で「案里氏に政治家として頑張ってほしいと思っていて、克行氏につながる話をして、克行氏が選挙違反を犯したとなれば、連座制で失職する可能性があるからだ」と言っていなかったか。

 被告 そのような話はしました。
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