【クラスターとの闘い 障害者施設 見真学園の52日】<2>ラインで交流、心の支え
2020/6/16 22:48
▽「日々、状況が変わる。エリア分けに必死でした」
ウイルスの感染拡大をいかに食い止めるか―。その鍵となるのは、安全区域と危険区域を分ける「ゾーニング」だ。見真学園(広島市佐伯区)のベテラン男性職員(60)は集団感染の発生直後から、その差配を任されてきた。「日々、状況が変わる。必死でした」
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最初に感染した利用者6人は急ぎ、隔離した。が、日を追うごとに感染者が増えていく。その都度、陽性と陰性のグループを組み替え、それぞれの居住エリアと担当職員を決めた。
■迷う時間なし
迷う時間はなかった。意向を確かめず、普段とは違うグループにはり付けた職員も多い。「苦労を掛けた。慣れるのに時間が要ったはずです」と男性職員。障害の特性から、見慣れない人に接すると不安定になる利用者もいるからだ。
現場には社会に出たばかりの新人もいる。その1人は「自分のクラスの顔と名前が一致してきたと思ったら、集団感染が起きた」と振り返る。「利用者さんに不安な顔を見せまいと、ひたすら頑張る毎日でした」
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