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三原―因島フェリー廃止へ 新型コロナで利用大幅減 赤字拡大、10月にも
三原市と尾道市因島を結ぶフェリーについて、運航する土生商船(尾道市)が10月にも廃止する方針を固めた。島しょ部の人口減少に加え、新型コロナウイルス対策に伴う外出自粛で利用者が急減し、赤字が拡大したため。中国運輸局海事振興部によると、新型コロナの影響による生活航路の廃止や再編は、中国地方で初めて。
廃止するのは、三原港から佐木島の鷺港を経て重井港(尾道市因島重井町)を結ぶフェリー。佐木島向けには、代わりにグループ会社の弓場汽船(三原市)が運航する須波(同)―沢(尾道市瀬戸田町)のフェリーが佐木島の向田港に新たに寄港する。三原港を発着するフェリーはなくなる。鷺港経由で三原と因島を結ぶ高速船は存続する。
土生商船によると、新型コロナの感染拡大により、学校の休校に伴う定期券の払い戻しや高齢者の通院控えが相次ぎ、三原―因島航路の売り上げは最大4割減ったという。同社は、三原―因島と須波―沢の2航路の共倒れを防ぐため、数年後をめどに検討していた再編計画を前倒しした。
弓場丞社長は「コロナの影響は長期化が見込まれ、利用回復を期待できそうにない。航路の赤字を不動産など関連事業の黒字で穴埋めしてきたが限界」と説明する。再編案は、2隻を1隻体制にして経費を削減しつつ、佐木島へのフェリー航路を維持できる「苦肉の策だ」と理解を求める。
同社が佐木島の各地区に示した資料によると、再編後のフェリーは現行の三原発着のフェリー(7往復)を上回る10往復を予定。距離が短いため、運賃も安くなるとする。島民の間では、島の人口が20年前の半分の663人(5月末)まで減ったことを踏まえ、再編を「やむを得ない」とする冷静な受け止めがある。
一方、鷺港近くの住民からは、フェリー乗り場が約5キロ離れた向田港に移るため困惑の声も上がる。鷺浦町内会の奥野悟会長(71)は「高齢者の通院などに支障がないように、例えば高速船にシニアカーが乗れるような配慮を求めたい」と話している。(馬場洋太)
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