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広島熊野道路、12月6日から無料 30年の徴収期間終了へ
広島市安芸区矢野町と広島県熊野町を結ぶ有料の広島熊野道路(全長2・4キロ)が、12月6日に無料化される。30年間の料金徴収期間を予定通り終え、建設のための借入金は料金収入などで返済できる見通しになった。町は、隣接する120万都市・広島市との「動脈」の無料化に定住促進などを期待する。
無料化は19日の県議会建設委員会で県が報告した。片側1車線の熊野道路は、県道矢野安浦線の渋滞緩和を目的に1990年12月に開通し、事業費は81億円。県道路公社が整備し、管理している。現在の料金は普通車200円、軽乗用車150円など。
年度別の交通量は、2018年の西日本豪雨で矢野安浦線が被災したため無料開放した影響で大幅増になった同年度(491万1254台)を除くと、04年度の394万7648台が最多。近年は300万台程度で推移している。
同公社は「交通量はおおむね計画通りだが、軽乗用車の利用が多く、料金収入は計画を下回った」とする。このため償還には災害などに備えて積み立ててきた損失補てん金も充てる。
1日平均の交通量は現在約9千台。最新の15年度調査では、広島市―熊野町間の交通量のうち、朝の通勤ピーク時は約55%、その他は約35%が熊野道路を利用している。
県は、無料化後の交通量が2・8倍の約2万5千台になるとみて渋滞緩和策を講じる。19年8月には熊野町側から海田大橋方面へのアクセス向上を図るため、安芸区の同橋入り口付近の道路を整備。同橋入口交差点のレーン増設や信号表示の改善も進める。
市のベッドタウンである同町。熊野道路が開通した90年の人口は約2万6100人。今年5月末現在、約2万3800人と近年は減少傾向となっている。町建設課の堂森憲治課長は「市中心部との往来の利便性が高まることで、町の活性化や定住促進につながってほしい」と話している。(宮野史康)
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