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留学生減り1万人割れ 5月末の福山在住外国人、入国できず学校苦慮
福山市在住の外国人人口が5月末時点で1万人を割り込み、9997人になった。新型コロナウイルスの影響で、海外からの留学生が減ったことが一因。市内の留学生向けの学校でも、今春入学するはずの生徒の多くが入国できていない。各校は来年度の生徒募集もできず、運営に苦慮している。
【ダイジェスト】新型コロナウイルス感染拡大 危機の中の中国地方
広島アカデミー(城見町)は今春、114人が入学する予定だった。運営する教文学園は「1人も入学できておらず、入学を取りやめた人もいる。授業料の収入もない」と説明する。一時帰国し再入国できていない生徒もいるという。
穴吹医療福祉専門学校(入船町)には、入学予定だったベトナムなどからの16人が入国できていない。例年なら春に10月期生の募集を始めるが、現地に行けないため面接活動もできないという。
同校の教室では、マスク姿の在校生が7月にある日本語検定試験に向けて勉学に励む。ネパール出身のタマン・フルバさん(18)は、アルバイトの収入減に悩んでいる。「日本で生活できるか不安。それでも将来のため前を向くしかない」
運営する穴吹学園留学生サポートセンターの百々(どうど)雅子課長(47)は「日本を選んで来ている彼らの学習の環境を守らなければならない」と話す。同学園は緊急支援として生徒に一律2万5千円を支給した。
オンラインで対応している学校もある。弥勒の里国際文化学院日本語学校(沼隈町)は、入学予定だった留学生38人に対し、5月からオンライン授業を実施。「入国できるまで生徒のモチベーションを保つようにしている」とする。
市民生活課によると、市内に住民登録がある外国人は5月末時点で9997人。うち「留学」の在留資格者は1474人で、昨年11月からの半年間で12・6%の212人が減った。
福山市内の大学や日本語学校、福山商工会議所などでつくる「外国人留学生を支援する会」の徳永明彦会長(44)は「学校や留学生の声を聞き、地元企業にも協力を呼び掛けながら支援を続けたい」と話している。(湯浅梨奈、滝尾明日香、榎本直樹)
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