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中国山地からコロナ考える 7月4日にオンラインシンポ

2020/6/30
「コロナ禍で一律に『地方に来るな』はおかしい。分断ではなく、チャンネルをつくっておかなければならない」と話す藤山さん

「コロナ禍で一律に『地方に来るな』はおかしい。分断ではなく、チャンネルをつくっておかなければならない」と話す藤山さん

 「中国山地からコロナ危機を乗り越える」をテーマにしたシンポジウムが7月4日、オンラインである。中国5県の研究者やジャーナリストたちでつくる「中国山地編集舎」が主催。地方での新型コロナウイルスとの向き合い方を議論する世代別の討論会もあり、参加者を募っている。

 午後1時半からで2部構成。第1部では、持続可能な地域社会総合研究所(益田市)の藤山浩所長が、コロナ禍で見た中国山地の暮らしについて基調報告。子育てや交通など各分野でまちづくりに携わるゲストを交えた座談会もある。第2部は、先着100人が参加できる討論会で、年代別のグループで議論を深める。

 同編集舎は、中国山地の営みを記録する年鑑「みんなでつくる中国山地」の創刊を10月に計画している。視聴、参加無料。申し込みは7月1日までにメールで受け付ける。事務局Tel090(2006)9115。(三宅瞳)

 ▽都市集中見直す行動必要 持続可能な地域社会総合研究所所長・藤山浩さん(60)=益田市

 7月4日のシンポジウムで基調報告をする持続可能な地域社会総合研究所(益田市)の藤山浩所長(60)に、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに目指すべき社会像と、地方のあり方について聞いた。

 ―新型コロナウイルスの感染拡大では、都市集中型の社会の危うさが浮き彫りになりました。

 「大規模・集中・グローバル」一辺倒の社会は限界が見えた。経済最優先でやってきたが、むしろ大事にすべきは命や暮らし。コロナ禍は、ある意味「警鐘」とみている。これがなくても地球温暖化、生態系の劣化、それから格差の広がりで社会はもたない。本当はバブル崩壊や東日本大震災の時に気付けば良かった。

 ―社会の根本を変える時なのでしょうか。

 「小規模・分散・ローカル」の時代で、地方が勝負できる。ただ、思考停止に陥っていて情けない。過剰な自粛要請に見られるように、東京発の「右にならえ」で主体性がない。感染者が激増した都市部とは違う対応の仕方がある。足元をみる「回れ右」こそ必要だ。

 ―中央を志向する癖が抜けないのかもしれません。「持続可能な地域づくり」には先見の明があります。

 循環型社会に向けてもっと投資が要る。「大規模…」な社会の中で、地方経済は外から金を持ち込み、外に金が出ていく仕組みになっている。食料品を遠い産地から仕入れて消費している。それを地場でつくり、買うよう切り替える。エネルギーも投資を募り、地元発電で賄う。地域ごとに診断し、エビデンス(根拠)を元に戦略は描ける。

 ―コロナ禍の中で、この循環型に向かう戦略に気付く方法はありますか。

 民間国土保全隊がある。世界恐慌時の米国で失業した若者が地方に入り、植林や公園の整備を担った。ルーズベルト大統領の施策で評価が高い。10年前から提唱しているが、日本版ではグリーンレンジャーとでも名付け、再生可能エネルギーや新しい交通システムの構築が仕事になるだろう。

 農村でおじいちゃん、おばあちゃんが田植えをし、自然に働き掛ける暮らしはコロナ禍でも揺るがなかった。ここかしこに循環型の姿がある。知ってほしい。

 ―研究者たちの「中国山地編集舎」が開く7月4日のオンライン会議でも、コロナ後を議論しますね。

 ひと握りの人しか利益を得ない成長や今までの暮らしを、一人一人が勇気を持って見直す方向に向かってほしい。瞬間的に効率を追い求めるより、長い目で見た行動が必要ではないか。(高橋清子) 

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