「真実語らず」市民怒り 三原市長辞職
▽市議会 抗議決議「一致」ならず
昨年7月の参院選広島選挙区での大規模買収事件を巡り、現金受領を認めて30日に辞職した三原市の天満祥典市長(73)。この日開かれた市議会臨時会の本会議で「市民の信頼を裏切った」とわびる一方、最後まで議員の質問に正面から答えなかった。23日の本会議で現金授受を否定した天満市長への抗議決議も全会一致とならず、傍聴した市民からは失望や怒りの声が漏れた。
質疑では、公選法違反の疑いで逮捕された前法相の河井克行容疑者(57)からの現金授受を巡り、議員が受け取り場所などを追及。天満市長は「捜査中で詳細は控える」と言葉を濁した。別の議員の「なぜ偽りを述べたか」との問いにも、「職を辞して責任を取る」と、かみ合わない答弁を繰り返した。
傍聴した市内の自営業男性(54)は「最後に市民の前で真実を語るかと期待してきたが、その姿勢すら感じなかった」と憤った。
本会議では、虚偽発言をした天満市長への抗議決議案を正田洋一(志成会)安藤志保(無所属)寺田元子(共産党)の3氏が発議。この決議案の取り扱いが焦点になり、市長派の議員が「慣例の手続きを経た発議でない」と採決自体に反対する場面もあった。
最終的に賛成多数で採決となり、仁ノ岡範之議長を除く24人のうち18人が賛成。児玉敬三(公明党)、政平智春、新元昭、徳重政時、田中裕規(以上新風会)、陶範昭(創志会)の6氏が反対した。市内の無職男性(67)は「いつも(市長の提案を)追認してばかりの議会が抗議を決議し、驚いた」と皮肉った。
天満市長には、退職金1697万円と期末手当(ボーナス)203万円が支払われる。同市西野のアルバイト坪島潤一郎さん(69)は「市民に申し訳ない気持ちがあるなら、ボーナスだけでも社会福祉団体に寄付してはどうか」と求めた。
8月2日告示、9日投開票の市長選に期待する声も。臨時会を閉会まで見守った同市皆実の無職西田巌さん(74)は「小学生に言うようで情けないが、不正にお金をもらわず、法律を守る人が次の市長になってほしい」と願った。(馬場洋太、神田真臣、政綱宜規)
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