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2年間年中無休、昭和なモーレツ!? 防府の池田市長、任期折り返し

2020/7/3
朝日を浴びながら職員と始業前のラジオ体操に臨む池田市長

朝日を浴びながら職員と始業前のラジオ体操に臨む池田市長

 「就任以来2年間、一日も休んでいない」。令和の世に昭和のモーレツ社員をほうふつとさせる首長がいる。1期目の任期を折り返した防府市の池田豊市長(63)。毎朝、街頭で児童を見守り、始業前は職員とラジオ体操に励む。週末も市の行事や中小企業向け相談会などに顔を出し「公務以外で防府を出たことはない」と「ステイ防府」に徹する。部下にとってはさぞや迷惑な上司とも思ってしまうが「古巣の県庁時代と同じ。これが自分流」と意に介さず笑う。

 ▽週末も街ぶら 施策探る

 「いってらっしゃい」。毎朝7時20分、池田市長は自宅前で児童の登校を見送る。新型コロナウイルスの感染防止で休校していた市内の学校も5月末に再開し「子どもたちの笑顔に元気をもらっていたと実感した。これで今日も頑張れる」と見やり、迎えの公用車で市役所へと向かった。

 庁舎に着くと市役所恒例の朝のラジオ体操。朝日を浴びながら池田市長は音楽に合わせて体を目いっぱい動かすハイテンション。ともに体操した犬塚要二秘書室長は「土日も市の施設や行事に出向き、まちの様子を確認している。ほんとに元気ですよ」と舌を巻く。

 ▽相談会に足運ぶ

 5月のある土曜日、池田市長は新型コロナで打撃を受ける事業者向け相談会に足を運んだ。会場で経営者と話をすると先の見えない不安が次々と口をついた。「とにかく早く動かないと」。苦境にある観光や飲食などの業者への一律20万円給付をその場で思いついた。週明けに早速、職員に検討を指示した。

 また、防府市は県内でいち早く災害時にホテルの客室を避難所代わりに提供してもらう協定を4施設と結んだ。「3密」が不安な妊婦や高齢者を収容し、宿泊費は市が全額負担する。これも週末に街をぶらついている時、閑古鳥のホテルが気になったことが下地になった。「感染が不安で避難所に行けないことがあってはならない。宿泊業者の助けにもなれば」という。

 ▽「自分は一職員」

 一連の対策で約18億円あった財政調整基金を半分取り崩した。池田市長は「いざというときの基金。出し惜しみしない」と強調する。

 「自分は市長、政治家でなく、行政マン、一職員でいたい」と語る池田市長。「もの言う市長」として議会との対立も辞さなかった松浦正人前市長とキャラクターは違うが、こちらも特異な存在感を発揮している。

 ■「部下休みにくい」注文も

 精力的な池田市長だが、「働き方改革」が叫ばれる昨今、部下や周囲はどう思っているのだろう。「本当は大変でしょ」と市役所での取材時や、時にはこっそり職員に聞いてみたが、否定的な声はほとんどなかった。

 市議会では2年前の市長選で池田市長を推した自民党系の市議からは「よく働く」との声が上がる。一方、9期目最古参の共産党のベテラン山本久江市議は「えっ、一日も休んでいないの」とびっくり。「上が休まないと下は休みにくいと意識を」と注文する。野党的立場の田中健次市議も「市長がでしゃばりすぎると職員がやりにくい面もある。どっしり構えることも政治家には必要」と話す。

 こうした声に池田市長は「職員には私のことは気にせず仕事が終われば早く帰り、土日もしっかり休んでと話している。自分は今のように働けなくなったら終わりだなと思っているので」と話す。(中川晃平)

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