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【西日本豪雨2年】砂防ダム完成、再び遅れ 広島県内緊急整備、6月末37%

2020/7/4

 2018年7月の西日本豪雨の被災地での二次災害を防ぐため、広島県内12市5町の計301カ所に砂防・治山ダムなどを設ける緊急整備事業で、20年度末までとしていた完了時期が21年度中にずれ込む見通しであることが4日、分かった。建設業界の人手不足などを背景に、受注業者が決まらない入札の「不調・不落」が相次いだため。6月末現在、完了したのは112カ所(37・2%)にとどまる。

 事業主体の国と県、各市町は当初、完了の目標時期を19年度末としていた。工事が思うように進まず、県は19年9月、担当する工事の完了時期を1年先送りすると決定。国、市町も順次、完了時期を見直していた。全事業の完了はさらに遅れることになる。砂防・治山ダムなどの整備が遅れる地域では、仮設住宅などで暮らす被災者の自宅再建の遅れにつながる可能性がある。

 301カ所の内訳は、砂防ダムや崖崩れ対策などの砂防事業199カ所、治山ダムや山腹の工事などの治山事業102カ所。うち完了したのは砂防事業85カ所(42・7%)、治山事業27カ所(26・5%)。

 県によると、事業の遅れは、参加業者が集まらない「不調」や入札額が予定価格を上回る「不落」が続いたことが主な要因。各地で復旧・復興工事が行われているため施工業者が不足し、アクセス面など現場の条件が悪い工事ほど敬遠されがちだという。用地取得に想定以上の時間がかかっているケースもある。

 県などは工事の予定価格引き上げなどの改善策を講じたが、なお契約や関係者との調整に時間を要している箇所がある。県が手掛ける工事のうち、砂防ダム8カ所、治山ダム4カ所の完成は現時点で21年度中になる見込みだ。

 県砂防課の山本悟司課長は「早期に完了できるよう取り組む。現場の状況を分かりやすく情報発信し、周辺住民の安心や災害時の適切な避難行動につなげたい」と話す。(松本恭治)

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