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河井前法相夫妻を起訴 100人に2901万円買収の罪 克行被告が「総括主宰者」

2020/7/8

 昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、検察当局は8日、同選挙区内の地方議員や首長ら100人に票の取りまとめを依頼し、報酬として計約2901万円を渡したとして前法相の河井克行容疑者(57)=衆院広島3区=と妻の案里容疑者(46)=参院広島=を公選法違反(買収、事前運動)の罪で東京地裁に起訴した。

【特集】河井克行・案里夫妻 買収事件

 関係者によると、検察当局は被買収者100人の刑事処分を見送る方針。衆院当選7回で地域に影響力を持つ克行被告から一方的に現金を渡され、その場で返しにくい状況だった人が多いことなどを踏まえて総合的に判断したとみられる。

 検察当局は克行被告について、案里被告の当選が無効となる連座制適用対象の「選挙運動の総括主宰者」に当たると説明。起訴から100日以内に判決を言い渡すよう努める「百日裁判」で審理される。候補者本人の案里被告も百日裁判となり、両被告とも罰金刑以上が確定すれば被選挙権が失われ、失職する。

 起訴状によると、克行被告は昨年3〜8月、案里被告を当選させる目的で100人に投票や票の取りまとめを依頼し、128回にわたって計約2901万円を渡した疑い。うち5人については、案里被告と共謀して同3〜6月に計170万円を渡した疑い。6月18日の逮捕時と比べ、買収額は6人への約330万円を上積んだ。昨年7月の立候補届け出前に選挙活動をした罪でも起訴した。案里被告の弁護人は8日、東京地裁に保釈を請求した。

 関係者によると、被買収者の1人当たりの受領額は5万〜200万円。約40人は県議や市議ら地方議員が占めるほか、後援会幹部や陣営スタッフにも現金を配っていた。現金の配布は、統一地方選があった昨年3、4月が目立つ一方、参院選公示が翌月に迫った同6月にも集中していた。

 同事件は広島地検と東京地検が合同で捜査してきた。関係者によると、克行被告は現金を渡した趣旨について「党勢拡大で必要な経費や陣中見舞いだった」と買収目的を否認。検察当局は配布の時期や、1人に複数回配っていることなどから両被告に強い買収意図があったとみており、裁判では現金提供の趣旨が最大の争点になる見通しだ。

 広島選挙区では改選2議席を巡り、自民党新人の案里被告、同党現職の溝手顕正氏、無所属現職の森本真治氏が激戦を展開。案里被告が初当選し、溝手氏が落選した。河井夫妻側には参院選前に党本部から1億5千万円が送金されていた。溝手氏分の10倍で、一部は案里被告の陣営の車上運動員への違法報酬に使われていたことが判明している。

 同事件を巡っては、受領を認めた三原市、安芸高田市、広島県安芸太田町の首長3人のほか、同県府中町議が辞職している。

 <クリック>総括主宰者 候補者の選挙活動を全般的に指揮する最高責任者で、候補者の当選を無効にする連座制の適用対象。選挙管理委員会への届け出は必要なく、陣営の実態に即して判断される。公選法では総括主宰者の買収を「加重買収」と規定。法定刑は4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金で、通常の買収より重い。連座制適用に向け、「組織的選挙運動管理者」などは禁錮刑以上の有罪が確定するのが条件だが、総括主宰者は罰金刑以上とハードルが下がる。

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  • 河井克行被告(左)案里被告

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