江の川氾濫、下流域繰り返し水害 堤防整備15%どまり
2020/7/15 9:42
島根県西部を流れる江の川下流域は、繰り返し水害に見舞われている。14日に氾濫に伴う浸水が確認された江津市川平地区と桜江町田津地区は、2018年7月の西日本豪雨でも被害を受けた。国土交通省浜田河川国道事務所は河川整備計画に基づき堤防工事を進めるが、未完成区間での氾濫が相次いでいる。
同事務所によると、下流域の島根県側で堤防が必要とされている区間は、両岸合わせて60・3キロ。このうち20年3月末までに完成した区間は15%の9・2キロにとどまる。進み具合も遅く、「(西日本豪雨のあった)2年前から延びたのは400メートルほど」という。
川平地区では近年、1972、83、2018年にも浸水被害が発生した。国が16年に策定した河川整備計画では、今回氾濫した区間(0・2キロ)は宅地をかさ上げするとしている。しかし、同事務所によると「地域合意がないため、かさ上げするか堤防を築くか確かなことはまだ決まっていない」という。
桜江町田津地区には2・1キロの堤防を整備するとしているが、こちらも着手できていない。
同事務所河川管理課の斉藤展弘課長は「下流域での堤防整備は、流量が多いため高さと幅が大きくなりコストがかかる。予算も限られているのでなかなか進まない」と話す。
川本町によると、これより上流にある同町谷地区でも14日、西日本豪雨に続いて民家などが浸水した。河川整備計画で宅地かさ上げの対象とされたが、事業化の見通しは立っていない。(梨本晶夫、鈴木大介)
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