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【激震 前法相夫妻起訴】首相秘書団の広島行脚、「溝手氏票」切り崩しか

2020/7/15 23:29

昨年5月13日の無料通信アプリLINE(ライン)のメッセージ画面。「あらいぐま」と名乗る克行被告が陣営のスタッフに「安倍総理大臣の秘書さんたちが到着した瞬間に、スタッフ全員が表に出て拍手で迎えるように」と指示している=画像の一部を修整しています(陣営関係者提供)

 昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、前法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=と妻案里被告(46)=参院広島=が公選法違反罪で起訴されて15日で1週間。来月上旬までに百日裁判が始まるとみられている。前代未聞の「金権選挙」の真相解明が期待されるが、安倍晋三首相が現地に派遣していた秘書団がどんな活動をしていたかも注目点の一つ。関係者の証言をたどると、首相の威光をかさに活発に動いていた様子が浮かぶ。

 「安倍さんの筆頭秘書が事務所に名刺を置いて帰った」。昨年5月ごろの筆頭秘書訪問を広島市議はこう振り返る。自身は不在中だったため事務員が対応した。「訪問は初めて。総理の力の入れようを感じた」。翌6月初旬には、事務所を訪ねてきた克行被告から20万円を渡された。

 ある県議は昨年5月下旬、自宅を訪れた首相の秘書から案里被告のポスターを渡され、参院選での支援を求められた。その約2カ月前にあった県議選の最中には、克行被告が県議の後援会幹部に選挙事務所で30万円を渡していた。

 2人とも克行被告からの現金授受に関して検察当局の任意聴取を受けた。首相秘書の訪問についても説明を求められたという。

 広島選挙区では昨年3月13日、自民党本部が改選2議席の独占を狙い、6選を目指す現職の溝手顕正氏に加えて新人の案里被告の擁立を決定した。参院選公示が3カ月半後に迫っており、安倍首相の指示で地盤の下関市から自身の秘書団が広島県に入った。地方議員や企業、地域の有力者へのあいさつ回りを重ねた。

 秘書団の狙いは何か―。元陣営関係者は「溝手氏の支持者の切り崩し」と打ち明ける。「溝手氏を支援している企業を回るときでも、秘書団が入ると訪問先の雰囲気ががらっと変わった」と思い返す。

 首相秘書の名刺の力を感じた面会者は多い。県東部の経済団体幹部は「首相秘書をむげにできない。『葵(あおい)の御紋』の安倍事務所からの依頼。切り崩された社長は何人もいるはず」と話す。

 2議席独占を大義名分に広島選挙区で案里被告を擁立した自民党。しかし選挙戦では、同党広島県連の主流派が推す溝手氏と、安倍首相をはじめ政権中枢が後押しする案里被告が自民党支持層の票を奪い合う分裂選挙となった。さらに、党本部は河井夫妻側に溝手氏分の10倍に当たる計1億5千万円の資金を提供。その一部は車上運動員への違法報酬に使われていた。

 巨額買収事件の背景に、安倍政権や党本部の関与はどこまであったのか。真相究明の舞台は、両被告の百日裁判の法廷へと移る。

 <クリック>参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件 河井克行被告は今月8日、妻案里被告を当選させる目的で地方議員ら100人に票の取りまとめなどを依頼し、報酬として計約2901万円を渡したとして起訴された。うち5人については案里被告と共謀し計170万円を渡した疑い。公選法に基づき、両被告とも起訴から100日以内の判決を目指す「百日裁判」で審理される。罰金刑以上が確定すれば公民権停止となり、失職する。

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  • 参院選の期間中、案里被告(手前左)への応援演説でマイクを握る安倍首相(昨年7月14日、広島市中区)

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