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【重富寛さんコラム】泡と人の向こう側<3> おいしさは「段取り」8割(2017年6月2日掲載)

2020/7/16 15:45
適温を保つため、氷も重要な役割を担う。全ては手入れの行き届いたビールのためだ

適温を保つため、氷も重要な役割を担う。全ては手入れの行き届いたビールのためだ

 ビールスタンド重富の注ぎ口を「スイングカラン」と呼びます。現在主流なのが、泡出し機能のある「コック」。スイングカランには泡出し機能はなく、ビールの抽出量も今のカランの4倍以上です。このスイングカランが現役の店は全国に約20店(現調査時点)。スイングカランを訪ねる旅を始めています。その店独特の注ぎ方や考え方、歴史を知るためで、いつかご報告したいと思っています。

 そんなスイングカラン店で何度も訪ねているのが銀座ライオン7丁目本店。現存するビアホールで日本最古のはずで、マッカーサー元帥も通った店です。ここに勤めておられるのが、私が師と仰ぐ海老原清さん(69)。定年を過ぎても、お客さまの熱望で、週に2回ビールを注いでおられます。その師匠より手紙が届きました。「お互いに、手入れの行き届いた『生ビール』をご提供しましょう」と。

 「おいしい」ではなく「手入れの行き届いた」です。師匠いわく、おいしいビールを造るのはメーカーさん。それを問屋さん、酒屋さんが丁寧に運びます。飲食店は、サーバーやグラスの毎日の洗浄、たるの管理、ガス圧の調整などに努める。つまり手入れの行き届いた環境で注ぐのが仕事と教えていただきました。
(ここまで 506文字/記事全文 1317文字)

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