地域ニュース
【重富寛さんコラム】泡と人の向こう側<16> 日本のカラン、起源を探る(2018年3月2日掲載)
スイングカランはどこから日本に入ってきたのでしょう? チェコの博物館にあるカランにその面影をみることができるのですが、なかなか裏付けは取れません。当時の資料もなさそうです。そんな中、「スイングカランの生き字引」とされるのが張替次男さん。私も師事している張替さんの記憶をたどりながら、スイングカランの日本での歴史を紹介しましょう。
戦前、目黒の祐天寺にあったシロップ製造販売の山寺食品さん。販売拡大を狙ってシロップのソーダ割りを企画したとのこと。その際、小原英男さんと木村岩治さんに炭酸水を作る機械の製作を頼み、手動式の炭酸水製造機が生まれたのです。
そして時がたち、ビールメーカーから炭酸系飲料であるビールを注ぐ装置を依頼され、2人が造り出したのがスイングカラン。小原さんと木村さんは昭和21年2月、現在の目黒区鷹番に、小原さんと木村さんの名字の頭文字を取ったビール機器製造会社「オーケー製作所」を設立。日本中にスイングカランを届けることになります
当時の生ビールは今でいう「冷やし中華始めました」的に、夏場だけの販売が多かったようです。オーケー製作所は春にスイングカランを各地に出荷し、秋にはすべてを回収。翌年の春の出荷までに、全カランのメンテナンス作業を済ませていたそうです。
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