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アナグマ出没増加中 広島・南区の住宅地で目撃相次ぎ20年度6件

2020/7/22 21:14
民家前に置かれていたごみ箱を倒し、生ごみをあさる3匹のアナグマ=6月23日、広島市南区東霞町(味村さん撮影)

民家前に置かれていたごみ箱を倒し、生ごみをあさる3匹のアナグマ=6月23日、広島市南区東霞町(味村さん撮影)

 広島市南区の住宅地でアナグマの出没が相次いでいる。本年度、区に寄せられた目撃情報は22日現在、6件と昨年度(4件)を既に上回り、出没エリアも拡大傾向という。夜行性だが、春から夏にかけては子育てなどのため昼間も活動する習性を持つ。専門家は「かまれる恐れがあるので近寄らないように」と呼び掛けている。

 南区東霞町の主婦味村真知子さん(65)は6月23日午後2時ごろ、自宅のベランダから3匹のアナグマを見掛けた。民家前に置かれていたごみ箱を倒し、生ごみをあさっていた。3匹は、やって来たごみ収集車の音に驚いて逃げたという。

 東霞町内会は翌24日、各世帯で屋外に置いているごみ箱にふたをし、アナグマに近づかないよう呼び掛けるチラシを作り、町内の掲示板に張り出した。25日に南区に連絡した。同町内会長の石丸勝さん(76)は「ここに30年以上住んでいるが、アナグマの出没は初めて聞いた。子どもが近づかないように注意したい」と話す。

 南区地域起こし推進課によると、このほか、5月26日に西本浦町、同28日と7月3、20日に黄金山町、6月1日に宇品御幸での目撃情報が寄せられた。西本浦町では近年、目撃情報はなかったという。

 アナグマは本来、山沿いに生息するが、雑食で、餌を求めて市街地に出てくることもあるという。黄金山(221メートル)周辺では出没が相次ぎ、昨年9月には黄金山町の70代男性が左手をかまれてけがをした。

 新黄金山町内会の藤田裕一会長(73)は「最近、出没場所が広がっているようだ。個体数や行動範囲がつかめず、不安だ」と話す。

 生態に詳しい山口県立山口博物館の田中浩学芸員(62)は、狩猟機会や天敵である野犬の減少などでアナグマの数は徐々に増えているとし、「簡単に餌を得られると知れば住宅地をテリトリーにする。ふた付きの金属製ごみ箱を使うなど、地域ぐるみで注意してほしい」と指摘している。(山下美波)

 <クリック>アナグマ(ニホンアナグマ) イタチ科で体長40〜60センチ程度。本州や四国、九州に広く生息する。穴を掘るための鋭い爪がある。雑食で、昆虫やミミズなどを好んで食べる。視力が弱く、人が近付いても気づかないこともある。ムジナとも呼ばれる。

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