非公表「中傷を回避」 広島市と市教委、全学校に対策徹底通知
2020/7/22 23:32
広島市立学校で初めてとなる新型コロナ感染者の確認を受け、市と市教委は22日、濃厚接触者の特定を急ぐとともに、通学者に外出自粛を呼び掛けるなど感染防止に全力を注ぐ考えを示した。感染した子どもが通う学校が所在している区は明らかにしたものの、校種や校名は非公表。子どもや家族たちを中傷から守るためとして理解を求めた。
市は記者会見で、担任を含む教員数人とクラスメートたち計約80人を接触者としてPCR検査すると報告。より感染リスクの高い濃厚接触者の人数は確認中とした一方、学校関係の接触者については「ほぼ把握できている」と述べた。学校外の接触者は今後調べるとした。
市教委は、この学校での感染予防対策に関し、1メートルを目安に席を離し、ドアノブなどの消毒といった国の衛生管理マニュアルを徹底していたとし、「対応は適切だった」との見解を示した。
また、対象の学校の子どもたちに休校中の外出自粛を呼び掛け、保護者には子どもの健康状態を把握するよう求めた。市内の全学校には、「3密」回避など従来の対策を徹底するよう通知したという。
会見では、校種や校名を非公表にした理由に関する質問も相次いだ。市教委の荒瀬尚美教育次長は、感染者や同じ学校の子どもたちへの誹謗(ひぼう)中傷を回避するためとし、「政令指定都市では校名は公表しない市がほとんどだ。感染拡大防止に必要な情報を積極的に出す姿勢に変わりはない」と強調。「感染した本人や家族に非はない。差別や中傷は絶対にやめてほしい」と呼び掛けた。(新山創)
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