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江の川氾濫で被災、自宅修理し大工の夢 江津工業高1年矢萩さん「災害に強い家」

2020/7/23 21:01
被災した自宅で、父啓二さん(左)とこれからの修理について話す勝希さん

被災した自宅で、父啓二さん(左)とこれからの修理について話す勝希さん

 島根県西部の江の川流域の氾濫に襲われた江津市桜江町大貫で、江津工業高1年矢萩勝希さん(15)の自宅は、2年前の西日本豪雨に続いて床上浸水の被害に遭った。家族と被災した自宅を修理する中で大工になる夢を見つけ、同校建築・電気科建築コースに進学。今回、自ら張ったフローリングは水に漬かりながらも剥がれなかった。「災害に強い家を造り、人を笑顔にしたい」。決意を新たにする。

 被災当日の14日、大雨の影響で高校は臨時休校に。ダムの放流量を聞きつつ、父の啓二さん(44)と仏壇や家具を2階へ上げていった。「どこまで水が上がるのか不安だった」。床上約50センチが浸水した。

 すねまで水に漬かりながら、妹の子ども部屋に張ったフローリングの横で引くのを待った。「怖かったけど、フローリングは剥がれず保っていて少し自信になった」と話す。1階の床板を剥がしており、また修理するという。

 中学2年だった2018年7月の豪雨。自宅は約1・2メートル浸水し、床や壁は泥まみれになった。復旧を業者に頼むと費用がかさむため、市営住宅に仮住まいしながら秋ごろに家族で修理を始めた。父の同僚も加わり、ホームセンターで板や丸のこを買い、動画を参考にしながら作業。木材を切り、断熱材を入れ、座板を張って…。夢中になるうち、落ち込んでいた心が少し躍った。「将来は大工になりたい」と今春、同校建築コースに進んだ。

 学校では建築大工技能士の資格を取るため、木材加工の実習をする。部材の種類も学習。復旧作業は「加工やくぎ打ちもうまくなれるよう積極的に手伝いたい」と前向きに捉える。

 勝希さんは「2年前に家を直したとき、家族の笑顔を見て達成感を感じた。人を笑顔にできる大工になりたい」。夢は膨らむ。(三宅瞳)

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