集落支援、周知不足で低迷 岩国市の中山間地域お助け事業
岩国市の小規模・高齢化集落の草刈りなどを集落外のグループが手伝う「中山間地域お助け活動支援事業」が低迷している。16グループ分の予算を確保しているが、実際に活動するのは例年2、3グループだけ。周知不足が原因とみられ市はPRを強化。さらに本年度から補助対象となる活動の範囲を拡大し、制度の利用を呼び掛ける。
▽補助対象を拡大 アピール強化
同市美川町の山ノ内地区の亀山公園で6月下旬、地元住民と草刈りに汗を流す「ふるさと応援しちゃろう隊」のメンバー3人の姿があった。メンバーはいずれも地区外に住み、年6回前後はヤマツツジで知られる同公園の清掃に訪れる。地元の升田清甫さん(79)は「高齢化が進み、住民だけで清掃するのは無理。とても助かる」と喜ぶ。
▽同郷集う場に
同隊は美川町の他地区の住民17人で2015年11月に結成した。作業を通じた住民との交流も楽しんでいる。
高杉達雄隊長(71)は「運動だと思って気軽に参加しているが、公園がきれいになったと言われるとうれしい」と話す。
同事業の補助対象は交通費や消耗品費、保険料など費目は多岐にわたる。支援グループは集落出身者が中心になることが多く、制度そのものが出身者同士が集まるきっかけになることもある。錦町の上沼田地区の出身者たちでつくる「上沼田百々会」の岡村哲文会長(64)は「みんなで同じ時期に帰省して活動しようという雰囲気になる」と笑う。
▽祭りも加える
便利な制度にもかかわらず利用は低調だ。初年度の15年度は3グループが4地域で活動したにすぎない。その後も16、18、19年度は3地域に3グループ、17年度は2地域の2グループにとどまった。当初予算には16グループが活動できる約80万円を計上しているが、毎年度余っている。
市は事業の周知不足のほか、補助対象として主に清掃や草刈りを想定していたことが原因とみており、本年度から夏祭りなどの地域行事も対象に加えた。地元との事前協議や当日の交通費などを想定しており、秋祭りの時期に向けてPRする予定だ。
ただ本年度も既に市広報などで募集を始めたが、問い合わせは2件だけ。市中山間地域振興課の的場敏課長は「まずは集落支援員などを通じて困っている地域を把握し、その地域に応援に入れる出身者や関係者を探すなどの方法で活動グループを増やしたい」としている。(加田智之)
<クリック>中山間地域お助け活動支援事業 19世帯以下で65歳以上が5割以上を占める集落などで、住民と共に活動する市内在住の5人以上のグループ(市外在住者がいる場合も可)が対象。補助額は初年度は上限5万円、2年目以降は同3万円で、備品購入は私有財産になるため対象外。依頼のあった集落と登録したグループを市がマッチングするが、出身地など支援する集落を希望することもできる。
5日午後8時45分ごろ、山口県上関町の上関大橋西側辺りで貨物船(199トン)が浅瀬に乗り上げた。第6管区海上保安本部によると、約30分後に離礁し、乗組員4人にけがはなく、油の流出はないという。同本部...
ケーキやクッキーを焼く甘い香りが漂う工房内に、アルファ化米や水などが入った防災セット、缶詰などの非常食が並ぶ。発達障害のある人と家族でつくる岩国市のNPO法人「エルマーの会」の福祉作業所。「工房は津...
尾道市中心部の商店街で2月下旬の日曜午後、通行禁止時間帯の市道を大型バイクなど8台が集団で走行していたことが5日、分かった。目撃者によると、現場は爆音と煙で一時騒然としたという。尾道署は、道交法違反...
安芸高田市議会は5日、本会議を開き、石丸伸二市長の答弁が不十分として4日に中断した一般質問を再開した。石丸市長は、昨年9月に本会議中の市議の居眠りをツイッターで指摘し、一部市議から「どう喝」されたと...
安芸高田市の石丸伸二市長は5日、報道陣の取材に対し、4日の一般質問が途中で打ち切られた原因となった不十分な答弁をした理由や対応を変えた経緯を語った。主なやりとりは次の通り。