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庄原三セク「比婆の森」が自己破産申請 コロナ禍直撃で宿泊低迷 負債1億2000万円

2020/8/1

比婆の森が指定管理を受けていた県立県民の森の公園センター

 庄原市西城町のスキー場・観光宿泊施設「広島県立県民の森」の指定管理者で同市の第三セクター、比婆の森(同市西城町、資本金3千万円、伊折直人社長)が31日、広島地裁三次支部に自己破産を申請した。代理人の弁護士によると、負債総額は1億2千万円。近年の暖冬による雪不足で主要な収入源のスキー場収入が落ち込んだほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で宿泊の利用も低迷していた。

 自己破産の申請を受け、県は同日付で同社の指定管理者の指定を取り消し、8月1日から当面の間、施設の利用を休止すると発表。県自然環境課は「早期再開に向けて市と連携し、早急に対応を検討する」としている。

 同社の決算報告書によると、2019年度の負債額は1億68万円。スキー場収入の落ち込みなどの影響で借り入れが増え、18年度の負債6600万円から膨らんでいた。年間利用者数は暖冬だった18、19年度は11万人台で推移するなど17年度の12万2千人からダウン。コロナ禍の影響で今年4月中旬から約1カ月間休業し、夏休みの宿泊や学校の合宿向けの予約も低調だった。

 同社は04年4月設立。市は30%を出資。05年から県民の森の指定管理者となった。施設運営のほか、市内五つの小中学校の給食共同調理場の調理業務を受託している。

 ▽県民の森指定管理 関係者に戸惑い

 「寝耳に水」「里山観光の拠点はどうなる」―。庄原市西城町の「県民の森」の指定管理者、比婆の森が自己破産を申請した31日、市や地元の観光関係者に驚きと戸惑いが広がった。

 「きょう破産の申請をした」。庄原市によると同日午後、比婆の森から連絡があったという。「コロナ禍で経営が厳しいとは聞いていたが、急過ぎる」と市幹部。施設を所有する県にも破産申請の意向は知らされておらず、市と県は情報収集に追われた。

 県民の森は、同市北部の比婆山連峰を望み、冬はスキー、春から秋にかけてはキャンプや登山、スポーツ合宿などで県内外の利用客に親しまれている。夏休みシーズンを前に、コロナ禍で落ち込んだ観光需要の立て直しを図ろうとしていた地元の関係者にはショックが広がる。

 庄原の観光プロモーションや商品開発を手掛ける庄原観光推進機構の坂田忠則専務理事(67)は「ツアーのコースを組み替えるなどの影響がある」。同町でスキー場、スノーリゾート猫山を運営する山口和男社長(49)も「同業として一緒に頑張ろうと言っていたばかりだけに残念だ」と唇をかむ。

 地元経済や雇用への影響を案じる声も。備北商工会の石川芳秀会長(68)は「売り上げが億単位の企業は地元にそうない。観光、飲食サービス業など業務も多岐にわたる」とし、比婆の森の従業員21人に対し「再就職など、商工会が支援していきたい」と話した。

 比婆の森が受託している、市内五つの小中学校の給食共同調理場の調理業務については、コロナ禍の影響で夏休みを短縮して授業が続いているため、夏休み前の7日まで業務の継続を裁判所が許可したという。

 広島県の湯崎英彦知事と庄原市の木山耕三市長はそれぞれコメントを出し「連携して早期再開に向けて対応を進める」とした。(伊藤友一、小島正和)

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