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【被爆電車1945―2020】<下>651・652号 「走る遺産」平和を訴える

2020/8/1
車輪の回りに被爆当時の鉄枠が残る651号を点検する整備士

車輪の回りに被爆当時の鉄枠が残る651号を点検する整備士

 「あの日」を知る、赤茶色の鉄枠が、車体下でひときわ存在感を放つ。広島電鉄千田車庫(広島市中区)で、点検を受けているのは「651号」。1週間に1回程度のペースで足回りなどをチェックする。「652号」とともに、現役で走る被爆電車だ。

 2両とも製造からわずか3年後の夏、「651号」は爆心地から南に約750メートルの「中電前」(中区)で脱線し半焼。「652号」は宇品近辺(南区)を走っていたため、被害は軽かった。

 古くなった部品を取り換えたり、時代に応じた改造を重ねたりしながら、走り続ける2両。最近の車両より馬力が劣るのは否めず、出番は減ってきている。それでも加速が緩やかで済む朝のラッシュ時に、千田車庫を出発し、広島駅や広電西広島駅などを結ぶ路線を力強く走る。

 同社車両課の中村洋さん(56)は「2両は動く被爆遺産で平和を訴える力がある。整備し、維持し続けることが私たちの使命」と誓う。(川村奈菜、写真も)

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