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被服支廠、国負担どこまで 官邸関心か、県検討に影響

2020/7/31
自民党の議連が「相当数の保存」を求めた旧陸軍被服支廠。3棟連なっているのが広島県所有の1〜3号棟で、手前が国の4号棟(広島市南区)

自民党の議連が「相当数の保存」を求めた旧陸軍被服支廠。3棟連なっているのが広島県所有の1〜3号棟で、手前が国の4号棟(広島市南区)

 広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)を巡り、自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟が、県所有の3棟を保存する案を打ち出した。広島県選出の国会議員たちが政治主導でまとめ、首相官邸も関心を示しているとされる。巨大な「もの言わぬ証人」の行方は被爆75年に定まるのか。多額の保存費用を国がどれだけ負担するかが、県の検討に影響しそうだ。

 【動画】空から見た被服支廠

 「あらためて原点から考えてみたいというのが知事の話だった。財政の問題もあろうから、価値を損なわない形で残せるだけ残してほしい」。議連会長の河村建夫氏(山口3区)は31日、県庁で湯崎英彦知事と県議会の中本隆志議長と相次いで会談した後の記者会見で、こう指摘した。

 ▽「30億円で3棟」

 広島、長崎県選出の国会議員を含む22人が名を連ねる議連。保存を求める動きが表面化したのは昨年12月だった。全4棟のうち、県が所有する3棟について「2棟解体、1棟の外観保存」とする安全対策の原案を公表したのに反応した。

 2棟解体に異を唱えたのは、広島県選出で代表世話人の寺田稔氏(広島5区)と事務局長の平口洋氏(広島2区)だった。被爆建物としての価値の高さを理由に挙げた。両氏は河村氏や長崎県の国会議員を引き連れ、今年2月に現地を視察。3月に相当数の保存を決議し、6月には「30億円かけて3棟保存」とする議連案をまとめた。

 複数の関係者によると、この案づくりには首相官邸の意向が働いた。議連メンバーが6月25日、西村明宏官房副長官と面会する直前に、保存費用を示すよう求められたという。
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