「一方的に置いて帰った」 河井克行被告からの現金受領問題、廿日市市議の仁井田氏が会見【動画】
昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で廿日市市議会の仁井田和之市議(74)は3日、前法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=から現金を渡された経緯について記者会見した。自宅に来た河井被告が「一方的に現金入りの封筒を置いて帰った」と強調した。主なやりとりは次の通り。(木下順平、東海右佐衛門直柄)
―どのように現金20万円を渡されたのですか。
昨年4月14日、河井被告が突然自宅に来た。5分程度話し、「名刺代わりに」と封筒を置かれ、すぐに中身が現金だと想像できた。返そうとしたが、河井被告は「よろしく」と言い残し、足早に部屋を出て、車で帰ってしまった。
一方的に置いて帰られたので、現金を受領したという認識はない。私は被害に遭ったようなものだ。その3日後の4月17日、知人に同行してもらい、河井被告の後援会事務所を訪ね、男性職員に返却した。
―参院選の応援を依頼されたのですか。
帰り際に「よろしく」と言われたと思う。私は当時、(自民党現職だった)溝手顕正氏の応援をしていた。(自民党新人で出た妻の河井案里被告=参院広島=の)対抗陣営への投票を鈍らせる目的があったと考えた。受け取ってはいけない金だと思った。
―これまで公の場で説明をしてきませんでした。
(事件が)政治不信を招いたことは事実。これからしっかり説明しないといけないと思っている。
―進退についてはどう考えていますか。
すぐ返し、現金を受け取ったという認識はない。次の選挙には立候補する。
―河井夫妻について今どう思いますか。
事件について正直に話し、多くの人に迷惑を掛けた責任を取ってほしい。
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河井克行被告から現金10万円を渡された藤田俊雄市議(69)は「非公開の場で話したことを明かすことはできない」として、記者会見を開かなかった。(河井夫妻の)公判が控えているため、としている。
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