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江津市167棟、活用ゼロ 西日本豪雨で全半壊、解体に公費(2020年2月14日掲載)

2020/8/3 21:41

 2018年7月の西日本豪雨で全半壊した家屋を公費で解体する国の補助制度が、江津市で一件も活用されていなかったことが同市への取材で分かった。制度が使える条件を市が国よりも厳格に解釈し、対象家屋がないと判断していた。実際には制度を適用できた家屋は167棟あり、自費で解体したケースもあった。

 公費解体は廃棄物処理法に基づき、市町村が国の補助を受け個人の被災家屋を解体する制度。同豪雨では半壊以上が対象で、島根県内では川本町で全半壊計64棟のうち29棟で使われた。

 一方、全半壊計167棟の江津市はゼロ。環境省によると同豪雨の場合、国は半壊以上であれば基本的に公費解体が可能との認識だった。しかし市は、同省からの制度周知の文書にあった「生活環境保全上の支障となっている損壊家屋」などの表現から、家屋が道路をふさぐなどの条件が必要と解釈。被災地を職員が回った結果「適用条件を満たす家屋はない」と判断し、住民に説明しなかった。

 市は広島県坂町などの事例を把握していたが、国に問い合わせなかった。200万円以上かけて自宅を解体したという江津市の70代女性は「制度があることすら知らなかった。今からでも適用を」と求める。

 市は現時点で、さかのぼって補助などを出す考えはないという。市市民生活課の小瀧陽夫課長は「今回の事例を踏まえ、今後は国に丁寧に制度の確認をしながら進めたい」と話した。

 同県内では他に、美郷町でも10棟が対象だったが制度の活用はなかった。同町によると、住民への聞き取りで解体希望がないと判断。住民への説明はしなかったという。(下高充生)

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