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長迫選手、自殺防ぎ感謝状 BMX東京五輪代表、笠岡署贈呈

2020/8/4 18:47
冨岡署長(左)から贈られた感謝状を手にする長迫選手

冨岡署長(左)から贈られた感謝状を手にする長迫選手

 来夏の東京五輪BMXレースの日本代表に選ばれた笠岡市出身の長迫吉拓選手(26)が4日、自殺を図ろうとしていた男性を保護したとして、笠岡署から感謝状を贈られた。長迫選手は贈呈式後に「男性が今は大丈夫と聞いて安心している。生きていれば、苦しさはある。乗り越えてこそ達成感がある」と、命の貴さを訴えた。

 笠岡署や長迫選手によると、7月2日午後10時ごろ、長迫選手が市内で食事を終えて自転車で帰宅する途中、橋上から下をのぞいていた20歳代男性を発見。「歩道側でない場所に立ち、明らかに暗い雰囲気を感じた」という。近づいて「大丈夫?」と声を掛けたが、下ばかり向いて全く返答がなかった。

 「ジュースでも飲みながら話そうか」と肩に手をやり橋のたもとに向かっていると、通行人の110番通報で笠岡署のパトカーが到着した。署員の事情聴取で男性は「死のうかと思った」と話していたという。

 長迫選手は翌3日に母校で講演したが、事件については触れず、6日からは静岡県での合宿に参加していた。

 帰省中だったこの日、同署であった贈呈式で冨岡康人署長から感謝状を贈られた。長迫選手は「死にたいと思うまで、周囲が助けられなかったのが残念。人間は弱いと思うが、楽しさを見つけるのも人生では」と話した。冨岡署長は「声を掛けなかったら、万一の事態になっていたかもしれない。長迫選手には、五輪でも活躍し、多くの人に元気を与えてほしい」とたたえた。

 長迫選手は、2018年に活躍した中国地方ゆかりの選手の一人として、中国新聞社の「第62回中国スポーツ賞」を受賞している。(谷本和久)

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