新型コロナ感染拡大で認知症悪化4割 広島大院が施設・ケアマネ調査 面会制限・利用控え影響
2020/8/4 22:55
認知症患者を受け入れている医療・介護施設、ケアマネジャーのいずれも約4割が、新型コロナウイルス感染拡大で患者に症状悪化などの影響が出たとみていることが4日、広島大大学院の石井伸弥教授(老年医学)の全国インターネット調査で分かった。感染防止のため介護サービスを受けられず、家族の負担が増したケースも相次いでいた。石井教授は「コロナ禍での介護態勢を早急に整える必要がある」と指摘している。
調査は日本老年医学会などと共同で実施。6、7月にネット上で協力を呼び掛け、全国945の医療・介護施設とケアマネ751人から回答を得た。
回答した施設の大半は感染防止のため患者の外出や面会を制限していた。このため施設の38・5%が「認知症の状態に影響が生じた」と回答。具体的な影響は認知機能の低下や鬱(うつ)症状などの出現・悪化などとした。
在宅患者を巡っては、介護サービスの縮小や利用を控える動きが広がり、ケアマネの38・1%が症状に影響があったと答えた。多くのケースで家族が介護を担ったとし、仕事を休んだり体調不良になったりした人もいたとした。
石井教授は「患者の症状悪化を避ける策を講じる必要がある」と指摘。入所者と家族とのオンライン面会、在宅での運動や栄養改善の取り組みなどを進める必要があるとした。
また、感染者の発生を想定した行動計画を作成している医療・介護施設が46・2%にとどまることも分かった。各地で施設内のクラスター(感染者集団)が発生しており、石井教授は「万一の時に対応が遅れる恐れがある」と早期の計画策定を求めた。(田中美千子)
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