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オバマ前米大統領とローマ教皇のメッセージの日本語訳

2020/8/4 22:54

 ▽オバマ前米大統領「被爆者と交わした言葉忘れない」

 オバマ前大統領メッセージ

 被爆75周年にあたり、原爆の日を厳かに迎えられる広島と長崎の皆さまに、心よりごあいさつを申し上げます。

 私の大統領在任中で非常に光栄だったことの一つは、2016年の広島訪問でした。被爆地・広島を訪れ、かつてここで起きた破壊の大きさと、奇跡のような復活を遂げた広島の姿を、十分に認識するためにはそこに立ってみなければなりません。私は、自ら折り鶴を折り、原爆資料館と平和記念公園へ赴いた時のことをずっと覚えています。

 中でも、原爆投下の日の記憶を持つ被爆者(ヒバクシャ)の方々とあいさつを交わしたことを忘れることはないでしょう。彼らはいつも、私たちに訴えかけてきます。科学の進歩が、破壊するためではなく何かを築いていくために利用される平和な世界を希求することを、決して諦めてはならないのだと。私は、日米同盟がこの精神をうたっていることを誇りに思って、この同盟をさらに強化すべく、常に自分の役割を果たしていきます。

 今年の原爆の日は、参列される被爆者の数も少なく、とりわけ心が痛みます。しかし、被爆者の方々の記憶と体験が決して色あせることはないという信念に、私は勇気づけられます。広島訪問の際に行った演説でお話したことをもう一度申し上げます。

 「いつの日か、証人としての被爆者の声を聞くことがかなわなくなる日が来ます。けれども1945年8月6日の朝の記憶が薄れることがあってはなりません。この記憶のおかげで、私たちは現状を変えなければならないという気持ちになり、私たちの倫理的想像力に火がつくのです。そして私たちは変わることができるのです」

アメリカ合衆国 前大統領

バラク・オバマ

(広島県の仮訳に基づく)

 ▽ローマ教皇「平和と繁栄のため核兵器捨てなければ」

 ローマ教皇メッセージ

 1945年の広島への原爆投下から75年、この節目の日を厳かに迎えられる主催者および参加者の皆さま、特に被爆者(ヒバクシャ)の皆さまに、謹んでごあいさつを申し上げます。

 昨年11月、私はローマ教皇として、自ら広島市と長崎市を訪問する機会に恵まれました。そして広島の平和記念碑と長崎の爆心地公園を訪れ、75年前の戦禍により両市で起きた人命と財産の破壊について見つめ直すことができました。

 私は昨年、巡礼者として来日いたしました。その時と同じように、私は現代に生きる人々の切なる願いを、特に平和を強く望み平和のために自らを犠牲にする若者の願いを、この胸に持ち続けています。また、貧しい人々の叫びも心に携えています。彼らはいつの時代も、暴力や紛争による被害を真っ先に受ける人々だからです。

 平和と繁栄を築くためには、すべての人々が兵器を、なかでも最も強力で破壊的な兵器である核兵器を捨てなければならないことは、かつてないほど明らかです。核兵器には、都市や国をことごとく損ない、破壊する力があるのです。昨年、広島で述べたことを繰り返し申し上げます。「原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています」(2019年11月24日、広島平和記念公園における演説より)

 今後も、広島と長崎の被爆者の方々の叫びが、現代と次世代の人々に警鐘を鳴らし続けるものとなりますように。彼らに、また和解を求めて活動するすべての人々に、詩編の言葉を贈ります。「わたしはいおう、わたしの兄弟、友のために。『あなたのうちに平和があるように』」(詩編122・8)

 この被爆75周年を記念するすべての人々の上に、神の豊かな恵みのあらんことをお祈りいたします。

2020年7月15日、バチカンより

(広島県の仮訳に基づく)

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