地域ニュース
自らの手で社会守ろう 編集局長・下山克彦
かつて経験したことのない春だ。国の緊急事態宣言から1週間がたった今も、新型コロナウイルスは猛威を振るう。中国地方でも感染者は100人を優に超え、クラスター(感染者集団)も相次ぎ発生。広島県は県民に外出自粛を要請した。国難という言葉に違和感がない、そんな事態だ。
「密」を防ぐため多くのイベントが中止された。ふだんは歓声に包まれるスタジアムも静まり返る。百貨店は週末休業し、再開したばかりの学校の多くは再び閉じた。親の不安、やむなく閉めた飲食店の悲鳴はこれまで報じてきた通りだ。
決定的なワクチンや治療薬がない中、自粛や制限は、感染爆発を防ぐために致し方ないのだろう。患者の殺到による医療崩壊を招いては元も子もない。自分は大丈夫との思い込みは捨てよう。すでに感染しているかも、目の前の相手にうつしてしまうかも、と考え行動しよう。一人一人が自らを律し、失われた日常を一刻も早く取り戻したい。
まがまがしいウイルスは、命を奪い経済的な損失を生むだけではない。人々の心の中に、不寛容の調べを奏で始めてもいる。
マスクを求め店員に毒づいたり、感染者をインターネット上であげつらったり。他者への厳し過ぎる視線も散見される。異なる立場や意見を受け入れぬ、とがった感情に覆われてはないか。この感染症とは長く厳しい闘いになる。どう乗り越えるか、私たちの社会が試されている。
新聞もそんな社会の一員だ。確かな情報を詰め込んだ新聞を毎朝届け、ホームページ「中国新聞デジタル」に最新ニュースをアップするために、われわれはある。コロナ対策に入念に取り組む新聞販売所も含め、全力を挙げている。
そして悩みもする。例えば知り得た情報をどこまで伝えるべきなのか。感染拡大を防ぐためにすべてを包み隠さずに、との考えもあろう。しかし下手な報じ方は風評被害を生みかねず、何より感染者や周辺を傷つける。公益か、プライバシーか。未曽有の事態は日々、私たちに判断を迫る。
一方、市民が苦境にある際、行政が分かりやすい施策で暮らしを支えるべきで、地方自治体ができることは多い。国の経済支援を周知することも大切だし、オンライン授業といった教育面の取り組みも求められる。何より医療崩壊を招かぬことが肝要だ。病床の確保はもちろん、無症状や軽症者向けのホテルなどの確保は急務だろう。広島県のウイルス検査の一部を岡山、鳥取両県が引き受ける、県境を越えた取り組みも始まった。広域で臨む、そんな構えは不可欠だ。
市民の間にもさまざまな知恵や試みが生まれ始めている。苦境に立つ飲食店を応援するため、持ち帰り商品を紹介するウェブサイトができた。将来の訪店に向け前払いするチケットの発行も始まった。行政に先んじたそんな動きは、日常を守ろうという人々の情熱の表れであり、大切に報じたい。
社会を形作るそれぞれに今、やるべきことがある。政治は果断に、しかし自由を尊重しながら、ことを進めねばならない。そして市民は意志と覚悟をもって行動し、社会を自らの手で守ろう。新聞がその支えになるよう、私たちも力を尽くす。
(3)次に、胡子への現金供与につき、検察官の主張するように、まずは克行と元公設秘書の間において、続いて元公設秘書と被告人の間において、それぞれ順に意を通じることによって被告人と克行の間に共謀が成立し...
第3 一部無罪の理由 1 公訴事実 本件公訴事実の第1別表1番号5の要旨は、「被告人は、克行と共謀の上、被告人に本件選挙における当選を得しめる目的をもって、令和元年6月16日、江田島市所在の大柿市...
5 奥原に対する現金の供与について (1)奥原の証言を中心とする関係各証拠によれば、奥原の立場や被告人との関係、現金授受の状況につき、以下の事実が認められる。 ア奥原は、広島県呉市の選挙区において、...
4 下原に対する現金の供与について (1)下原の証言を中心とする関係各証拠によれば、下原の立場や被告人との関係、現金授受の状況について、以下の事実が認められる。 ア下原は、広島県東広島市選挙区にお...
2岡崎に対する現金の供与について(1)岡崎の証言を中心とする関係各証拠によれば、岡崎の立場や被告人との関係、現金授受の状況について、以下の事実が認められる。 ア岡崎は、広島県府中市神石郡選挙区におい...