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政治浄化、若さに託す 安芸高田・石丸さん決意新た 三原・岡田さん5県最年少

2020/8/9 23:42
花束を手に、満面の笑みを見せる石丸さん(中)

花束を手に、満面の笑みを見せる石丸さん(中)

 「政治とカネ」の問題で高まった有権者の政治不信とどう向き合うのか―。昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で前市長がともに辞職し、政治への信頼をどう回復するかで無所属新人計6人が支持を競い合った安芸高田、三原の両市長選。有権者が9日に新たなリーダーへと押し上げたのは、ともに30代の若い民間出身者だった。安芸高田市長選を勝ち抜いた石丸伸二さん(37)と、三原市長選を制した岡田吉弘さん(35)=自民推薦=は、決意を新たにした。

 安芸高田市長選は、石丸さんが、前副市長の竹本峰昭さん(66)との一騎打ちを制した。広島県内の現職にはいなかった、30代の首長が誕生。石丸さんは同市吉田町の事務所で、クラッカーを鳴らした後、万歳をして支持者と喜びを分かち合った。

 事務所に当選確実が伝わると、集まった支持者から大きな拍手と歓声が上がった。石丸さんは「日本は地方から変われると示した。市民の皆さん、ありがとう。新しい安芸高田を始めよう」と喜びを爆発させ、古里への恩返しを誓った。

 14年間勤めた都市銀行を7月末で退職し、急ごしらえで臨んだ選挙戦。選挙期間中に1日約50回こなした街頭演説では「過去最高の投票率にして、市民は政治について本気で考えていると全国に知らせよう」と、一貫して訴え続けた。

 今回の市長選は、児玉浩前市長(57)が大規模買収事件で前法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=から現金計60万円を受け取ったと認め、辞職したのを受けて行われた。市は日本中から注目を浴びた。「次は安芸高田の名前をいいニュースで広めよう」との思いが原動力となった。

 政策も地道に説いた。屋外を中心に開いた個人演説会では、有権者と質疑を重ねて分かりやすい説明を心掛けた。加速する人口減少には「これまでの読みが甘く、政策の失敗だ」と批判。リモート授業の活用で教育を充実させ、人材を育てるなどと披露して、有権者の支持を呼び込んだ。

 三原市長選は岡田さんが勝ち抜き、中国地方5県で最年少、全国で2番目に若い市長が誕生した。政治とカネが大きな争点となる中で、「クリーンな政治」の実現を主張。2005年3月の1市3町合併後では最多の4人が立った選挙戦で、元市消防職員の角広寛さん(61)、元市議の荒井静彦さん(68)、イベント企画会社社長の藤岡輝久さん(50)との争いを制した。

 同市宮浦の事務所に当選確実の一報が入ると、集まった支持者は沸き返った。岡田さんは「市民から信頼される市政をつくる」と述べ、笑みを浮かべた。

 選挙戦では、服やのぼりなどの色を青に統一して清新さを演出。「クリーンな政治!」の文字をビラで大きく掲げたほか、街頭演説では「特定の企業や利権、ましてや政治家の利益のための政治であってはならない」と繰り返した。

 教育先進地域づくりや産科・小児科医療の体制整備を掲げて「子育て世代が三原に戻ってきたいと思えるまちづくりをする」と強調。得意のITを活用した行政のデジタル改革も訴えて世代交代を印象づけた。選挙戦中盤からは、企業誘致や中小企業支援などの雇用創出を前面に掲げ、幅広い層の支持を獲得した。

 推薦する自民党の国会議員が街頭演説や企業回りで連れ立つなど、組織戦の様相も見せた。陣営幹部は「自民党の推薦で、大規模買収事件に対する批判票が他陣営に流れる懸念もあった。最高の結果を出せた」と振り返った。

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