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遺族「早めの避難 促していれば」 東広島崖崩れ1ヵ月、悔やむ思い語る

2020/8/13 21:31
崩れた実家の前で、父と祖母への思いを語る真人さん(左)と雄也さん

崩れた実家の前で、父と祖母への思いを語る真人さん(左)と雄也さん

 東広島市河内町宇山で大雨に伴う崖崩れが発生し、倉兼千代子さん=当時(84)=と長男で会社員茂実さん=同(55)=が亡くなって14日で1カ月。茂実さんの長男真人さん(29)=東京都=と次男雄也さん(28)=富山県高岡市=が、現地で中国新聞の取材に応じた。「少しでも早めの避難を促していれば助かったかもしれない」と、悔やんでも悔やみきれない思いを語った。

 2人にとっての実家は、被災当時の姿のまま。市によると、撤去の着手は約1カ月後になるという。崖崩れ発生後、何度も現場を訪れた真人さんは「納骨もまだなので、気持ちが落ち着かない」と肩を落とす。

 雄也さんは「前日に電話ができなかった。『気を付けてね』と、しつこく伝えておけば違ったかもしれない」と悔やんだ。降り続く雨を心配し、崖崩れの3日ほど前に「2階で寝た方がいいよ」と電話で伝えると、茂実さんは「危ないけえ、ちょくちょく2階で寝よるけど」と答えたという。

 土壌雨量指数などを基にエリアごとの土砂災害の危険度を示す「メッシュ情報」を市が見逃し、発生時は宇山地区に避難勧告が出ていなかった。真人さんは「大げさでもいいので、前日の明るい時間から避難を呼び掛けてほしかった」と指摘する。

 2人とも、実家の庭で親戚や友人、茂実さんの同僚たちとよくバーベキューをしたのが思い出という。真人さんは「地域の人に迷惑を掛けているので、早めに撤去作業が終わってほしい」と願う。

 「おやじは年齢に関係なく誰とも仲良くしていた。通夜や葬式に来てくれた人は『お父さんは優しかった』と言ってくれた」と雄也さん。茂実さんと同じ宅配業者で働いていたこともある真人さんは「仕事熱心で面倒見もいいから皆が頼っていた」と振り返る。

 2人が中学、高校時代、千代子さんはご飯を作り、約10キロ離れた学校へ送り迎えもしてくれたという。「おやじもばあちゃんも困っている人がいたら手助けする性格だった。良いところを受け継ぎ、前を向いて生きていきたい」。兄弟は声をそろえ、しのんだ。(堅次亮平)

 <クリック>東広島市河内町宇山の崖崩れ 7月14日午前6時ごろ発生。倉兼さん宅の裏山にある県道がのり面とともに崩れ、木造2階建ての1階部分に土砂が流入した。市消防局によると、千代子さん、茂実さんはいずれも1階部分で見つかったという。

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