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【インサイド】立正大淞南高クラスター、寮生活の管理に難しさ 密の回避、徹底不可欠

2020/8/15 0:05

サッカー部寮での感染拡大を受け、記者会見する立正大淞南高の北村校長(右)と上川教頭(11日)

 松江市の私立立正大淞南高サッカー部で起きた新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)は14日時点で生徒96人に広がり、学校内の感染では全国最大となった。初の感染確認から1週間。密になりがちな寮生活で、ひとたび管理が甘くなれば大規模感染は起こり得る。なぜ広がったのか。その検証と、悩ましい中で「新しい生活様式」を徹底させる知恵が求められる。

 11日未明、市役所であった記者会見。同校の北村直樹校長は「感染症対策が不十分だった」と謝罪した。上川慎二教頭はコロナ禍での寮生活の管理を問われ、言いよどんだ。「密にならない環境をつくるのは、正直なところ難しい」

 ▽明確な規則欠く

 寮では120人が2人1部屋で寝食をともにし、共同で使う風呂と食堂はそれぞれ1カ所しかない。同校によると、市内で感染が初めて確認された4月上旬以降、食事や入浴で混雑を避けるよう指導したという。

 しかし、寮内で明確なルールを定めていたわけではない。例えば検温は個々の測定に委ね、機器を用意して定時に測る仕組みは設けず。食事や入浴は、グループ分けや人数制限までしていない。上川教頭は「口頭で注意喚起をしたが、実際にできていたとまでは言い切れない」と振り返る。限られたスペースで、大人数を分散する時間もない現実との板挟みだったと吐露する。

 調査を続ける市は、部員の感染は「県外者から」とみる。8日に感染が初めて判明し、市内での感染確認はこれが約3カ月ぶり。同部は7月下旬から感染拡大地域の大阪や、香川、鳥取に遠征した。この遠征や、部の行事の中で感染した可能性が高いと分析する。

 大規模な感染になった経路をこう推定する。マイクロバスを使った遠征や、寮生活などで部員の間で拡大。そして授業など学校生活を通して他の生徒へ―。8月4日には、県高校夏季野球大会で準優勝した部員を、生徒100人以上がマスクを着けずに出迎える行事もあった。

 ▽「いつ起きるか」

 「厳しい言い方だが、ここまで大規模になったのは管理上の問題が何かしらあったというほかない」とする市。厚生労働省クラスター対策班の派遣も要請し、経路の解明を急いでいる。

 寮や部活動での集団感染は全国各地で起きている。「人ごとじゃない。自分たちの周りでもいつ起きるか分からない」。島根県邑南町にある矢上高野球部の山本翔監督は危機感を口にした。部員63人の多くは寮生活。練習はグループごとに終了時間をずらし、寮での食事や入浴の分散を促す。「常に感染リスク、恐怖を頭の片隅に置いている」という。

 クラスターに対する会員制交流サイト(SNS)での誹謗(ひぼう)中傷を打ち消すように、プロ選手や他校チームから生徒を励ます投稿も相次ぐ。市健康部の小塚豊部長は「事実関係を調べ、どうしたら次の感染を抑えられるか教訓にしたい。新型コロナを完全に防ぐのは難しい。誰が悪いとかではない。どこでも、一人一人が感染対策をしなければいけない」と強調する。(高橋良輔)

 <クリック>立正大淞南高の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団) 8日にサッカー部の寮に住む男子生徒の感染が初めて判明。14日夕時点で、関連の感染者は計103人に上る。同部員90人、そのうち寮生が84人▽同部関係者の教員2人▽同部員の保護者1人▽野球部員4人▽生徒2人▽同校に出入りなどした4人。13日までに濃厚接触者となった生徒や教員など、約500人がPCR検査を受けた。

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