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終戦75年、不戦誓う 戦没者追悼式 陛下、今年も「深い反省」/首相、加害責任に触れず

2020/8/15 22:53

全国戦没者追悼式でお言葉を述べられる天皇陛下と皇后さま=15日午後、東京・日本武道館(代表撮影)

 終戦から75年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で、20府県の遺族が欠席となったが、参列者は戦没者約310万人を悼み、不戦の誓いを新たにした。天皇陛下は昨年に続き、お言葉に「深い反省」との文言を盛り込まれた。

 安倍晋三首相は式辞でアジア諸国への加害責任に触れず「積極的平和主義の旗の下、世界の課題解決にこれまで以上に役割を果たす」と述べた。首相が意欲を示す敵基地攻撃能力保有が議論されており、遠のく惨禍の記憶の継承が問われる。

 厚生労働省によると、今年の参列者は約540人で過去最少。昨年の約6200人の1割弱となった。マスクの着用や消毒、社会的距離に配慮し、感染防止対策を取った中での式典となった。

 戦後生まれの陛下は天皇として2度目の参列。今年は、コロナの困難な状況を乗り越え、平和を希求することを願うお言葉を読み上げた。安倍首相は第2次政権発足後8年連続で加害責任と反省に触れなかった。今回は「歴史と向き合う」との趣旨の言葉もなかった。

 正午の時報に合わせ参列者が黙とうした。父親をフィリピン・ルソン島で失った静岡市の杉山英夫さん(82)が遺族を代表し「二度と戦没者遺族を出さないために、戦争の悲惨さと恐怖、平和の尊さを語り続け継承してまいらなければならない」と追悼の辞を述べた。

 参列者の中で最高齢は兄が中国で戦病死した北海道の長屋昭次さん(93)。最年少は群馬県高崎市の中学1年井田雪花さん(12)で、曽祖父が南太平洋の島国ソロモン諸島周辺で戦死した。

 宮崎県高原町の原田義隅さん(79)は参加を諦めた一人だ。この日はテレビ中継を見て、19歳で戦死した兄の伝さんをしのんだ。「記憶が風化する危機感がある。最後の一人になるまで語り継ぎたい」。県内には、高齢化が進み、遺族会が解散した地区もあるという。

 日本遺族会によると、傘下団体の2019年の総会員数は約57万世帯。1960年代半ばの半数以下で減少が続く。総務省が今年4月に公表した人口推計によると、戦後生まれは84・5%に当たる約1億655万2千人に。19年度の旧軍人の恩給受給者は1万人を割った。

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