• トップ >
  • トピックス >
  • 被災10地域で人口増 20日広島土砂災害6年 対策工事完了・流出に歯止め

トピックス

被災10地域で人口増 20日広島土砂災害6年 対策工事完了・流出に歯止め

2020/8/19 23:07

広島土砂災害の被災地に立つ慰霊碑。犠牲者の名前が刻まれた碑に、近くで完成した砂防ダムが映り込む=19日、広島市安佐南区八木3丁目(撮影・高橋洋史)

 2014年8月の広島土砂災害で犠牲者が出た広島市安佐南、安佐北両区の10地域の人口は計1万4730人(20年7月末現在)と前年同期より19人増え、被災後初めて増加に転じたことが中国新聞の集計で分かった。砂防・治山ダムなどの対策工事の完了を背景に、人口流出に歯止めがかかった格好。一方で市の復興事業は遅れが目立ち、災害に強いまちづくりはなお途上だ。77人が亡くなった広島土砂災害は発生から20日で6年。両区では同日、各地で追悼行事が営まれ、遺族や住民が祈りをささげる。

 住民基本台帳によると、安佐南区八木3丁目、安佐北区可部東6丁目などの10地域で、災害前の14年7月末の人口は1万5890人。翌年同期は1万5037人で853人の大幅減となり、16〜19年は123〜62人減で推移していた。今年は19年(1万4711人)を19人上回った。

 国と広島県、市が両区などの99カ所に砂防・治山ダムなどを設ける対策事業は今月上旬、全ての箇所で完了した。一方、巨大雨水管や広域避難路などを設ける市の「復興まちづくりビジョン」の関連工事は予定より大幅に遅れている。地中の掘削作業の難航が主な要因で、19年度末までに整備を予定していた94カ所のうち、完成したのは42カ所にとどまる。

 10地域の人口は災害前に戻っていないものの、周辺を含めて新たな住人の入居が進んでいる。各地で災害の記憶や教訓を継承する取り組みが一層重要になる。

 追悼行事は被災した団地などで営まれる。安佐南区の梅林学区自主防災会連合会は午前9時から、学区内の犠牲者65人の名前を刻んだ梅林小の慰霊碑前に献花台を設置。3人が犠牲になった新建団地(安佐北区)などでも式典がある。新型コロナウイルスの影響で行事の縮小・中止が相次いでいる。

 広島土砂災害は14年8月20日未明、積乱雲が連なる「線状降水帯」による集中豪雨が広島市を襲い、土石流や土砂崩れが同時多発的に発生。安佐南、安佐北両区で災害関連死3人を含む2〜89歳の77人が亡くなった。被災世帯は4389世帯に上った。(藤田龍治、木原由維)

【関連記事】

娘の生きた証しここに 広島土砂災害6年、湯浅みなみさん両親へ同級生が手作りアルバム

巨大雨水管の完成大幅遅れ、地中掘削が難航 広島土砂災害で被災の八木・緑井地区に整備

被災6年「つらいけど来たよ」 8・20広島土砂災害で追悼式典、安佐南区八木

【あの日から 広島土砂災害6年】<1>息子の自転車 2年後に届いた贈り物

砂防・治山ダム、全事業完了 広島土砂災害受け整備


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

トピックスの最新記事
一覧