福山のトラック爆発 スプレー使用、密室はリスク ほぼ可燃性ガス 充満の恐れ
福山市の路上で19日、トラックが突然爆発した事故は、身近な冷却スプレーが持つ大爆発の危険性が浮き彫りになった。猛暑が続く今はスプレーを使うケースが多いが、噴射剤はほぼ可燃性ガス。密室空間に充満していることに気付かないこともある。制汗スプレーや殺虫剤なども含めて安全に使う知識が必要になっている。
爆発は運転手の20代男性が信号待ちをしていた時に突然起きた。ドアや車体がぐにゃりと曲がり、粉々に吹き飛んだガラス片が爆発のすさまじさを物語っていた。男性は顔に軽いやけどを負っただけで済んだが、こんな事態は想像もしていなかったようだ。
ただ、福山東署の調べに男性は「たばこに火を付ける前に冷却スプレーを身体に30秒ほど吹きかけた」と話している。福山南消防署は「30秒も使えばかなりのガスが出たはず。大したけがでなかったのはまさに奇跡的で不幸中の幸いだった」と話す状況だった。
スプレーの噴射剤は以前は化学的に安定したフロン類が主流だったが、環境問題で可燃性ガスに切り替わってきた歴史がある。日本エアゾール協会(東京)によると、今では冷却スプレー以外にも殺虫剤やヘアスプレーには半分ほど、制汗スプレーは9割ほどの製品にブタンなどの可燃性ガスが使われているという。
だが、切り替えが環境には優しくなる一方で、爆発の危険を逆に高めている認識は深まってこなかったようだ。可燃性ガスは空気よりも重いため、今回のような足元に大量に充満して思いがけない爆発を起こすことは今後もあり得る。
協会は「高温になる車内は保管していただけでもスプレーの内圧が上がり、爆発する可能性がある」と指摘。夏場に車内で使う時には特に取り扱いに注意が必要とし、通常はガスがたまらない広い場所での使用を勧めるという。
福山南消防署はさらに「消毒でエタノールを手に吹き付けた直後に花火をして引火し、やけどをすることもある」と指摘。「夏場は特に思いがけない引火も多い。スプレーは車内やトイレなど狭い密閉した空間では極力使わないでほしい」と呼び掛けている。(川村正治)
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