教訓継承、防災誓う 広島土砂災害6年 追悼行事、住民ら祈り深く【動画】
広島市で77人が犠牲になった2014年8月の広島土砂災害は20日、発生から6年となった。被害が大きかった安佐南、安佐北両区で追悼行事が営まれ、多くの人が鎮魂の祈りをささげた。全国各地で大規模な豪雨災害が多発する中、住民たちはあの日の教訓を継承し、災害に強いまちづくりを進める決意を新たにした。
一帯の犠牲者65人の名前を刻む慰霊碑がある梅林小(安佐南区八木3丁目)では、梅林学区自主防災会連合会が献花台を設置。遺族や住民たちが花を手向け、手を合わせた。同連合会の菅原辰幸会長(73)は「被災した経験を伝え続け、住民の防災教育に努めたい」と力を込めた。
新型コロナウイルス感染防止のため、各地の自治会などは規模を縮小するなどして追悼行事を営んだ。行事はこの日夜まで断続的にあり、夜には同区緑井8丁目の砂防ダム近くの広場に犠牲者を追悼する紙灯籠が並べられた。
両区の被災現場には、当時、土石流などが発生した未明から、遺族や知人たちが次々と訪れた。
災害を受け、国と広島県、市が安佐南、安佐北両区などの99カ所に砂防・治山ダムなどを整備する対策事業は今月上旬に完了した。一方、広域避難路や巨大雨水管などを両区に設ける市の「復興まちづくりビジョン」は事業の遅れが目立っている。
この日、被災地を視察した松井一実市長は「早期完成に向けて最善の努力をしていく。地域住民の期待に応えるべく、もう一踏ん張りする」と強調した。
広島土砂災害は14年8月20日未明、積乱雲が連なる「線状降水帯」による集中豪雨が広島市を襲い、土石流や土砂崩れが同時多発的に発生。両区で災害関連死3人を含む2〜89歳の77人が亡くなった。市内の被災世帯は4389世帯に上った。(松本恭治)
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