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江津市をリキュール特区に認定 石見麦酒、年内にも生産

2020/8/30 20:05
ポリ袋を使った醸造法で造るビールの様子を確かめる山口工場長

ポリ袋を使った醸造法で造るビールの様子を確かめる山口工場長

 江津市が、市内産の特定の農産物を原料としたリキュール製造に関し、少量でも製造免許の取得が可能となる国の構造改革特区の認定を受けた。市内で5年前に起業し、小規模な醸造法を全国に広めて注目されるクラフトビールメーカー石見麦酒(桜江町)が、年内にも生産を始める見通し。農作物の消費拡大や新たな客層の獲得につなげようと意気込む。

 特区は市内全域が対象。特産のクワ、蜂蜜、ブルーベリーを使ってリキュールを造る場合、製造免許の取得に求められる最低製造量が年6キロリットルから1キロリットルに引き下げられる。

 石見麦酒は石見地域で取れた果物を使ったクラフトビールを商品化している。昨年からは果実酒の製造も始めた。ただ、果実酒は原材料に多くの果物が必要で、市内の小規模な農家の生産量では足りない場合があった。できるだけ地元産を使いたいとの思いがあり、果実酒よりも必要な量が少ないリキュールに目を付けたが、最低製造量の制約が課題だった。

 市もこうした悩みを把握。市内では農家の高齢化や後継者不足が進んでいることも踏まえ、少量でも付加価値を付けて販売できる仕組みを整えようと、今年5月に特区を申請した。

 同社は市主催のビジネスプランコンテストで大賞を獲得し、2015年に開業した。大掛かりな設備が必要なビール業界で、ポリ袋を使った「石見式醸造法」と呼ばれる小規模生産のノウハウを確立した。6月、同市桜江町のリゾート施設「風の国」に醸造、販売所を移転しており、観光客を呼び込める新商品にしたいという。

 山口厳雄工場長は「地域の人にお世話になっているので、地元の生産者に恩返ししたい。ビールが苦手な人も江津や石見麦酒に来てもらうきっかけになれば」と意気込む。(下高充生)

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