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中国地方、異例の夏 長雨・猛暑で災害続発、野菜高騰/コロナ禍で水辺のにぎわい消失

2020/8/30

例年より人が少ない中央公園ファミリープールで泳ぐ来場者=7月30日、広島市中区(撮影・川村奈菜)

 中国地方はこの夏、記録的な降雨と猛暑に見舞われた。極端な気候により野菜は高騰し、食卓に影響が広がっている。新型コロナウイルス感染拡大のため、観光地をはじめ、海やプールから例年のにぎわいは消えた。コロナ禍に、長雨と猛暑が加わった「異例の夏」を振り返る。

 中国地方の梅雨明けは7月30日ごろ。広島、岡山、島根、鳥取の4県は平年より9日、山口県は11日遅かった。7月の降水量は広島市中区で平年の3倍に当たる768・5ミリに達し、1879年の統計開始以降、最多を更新。呉市や福山市、岩国市羅漢山など各地で平年の2倍を超えた。

 東広島市河内町では7月14日に崖崩れが発生し親子2人が死亡。広島、島根県を流れる江の川が氾濫し、江津市などの流域で被害が出た。

 ■観測史上最高も

 梅雨明け後は一転、猛暑に。今月27日現在、中国5県の80観測地点のうち、山口市38・6度▽岩国市広瀬38・2度▽広島市安佐北区38・1度―など12地点で8月の観測史上最高を記録。雨も少なく、広島市中区の月間降水量は同日現在、わずか2・0ミリ。過去最少の2010年(5・5ミリ)を下回る可能性が高い。

 日本気象協会中国支店によると、9月も太平洋高気圧が張り出しやすい状態が続き、中国地方でも平年より気温が高くなる見込みだ。

 新型コロナ禍の中、水辺のレジャーは低調だった。山口県内では、遊泳できるものの、公設のシャワーや更衣室を設けない海水浴場が相次いだ。昨年、計10万人以上が訪れた光市の虹ケ浜、室積の両海水浴場は海開きを見送った。

 ■死亡事故が増加

 広島市中区の中央公園ファミリープールでは人数制限などの感染対策を講じ、31日まで営業する。例年11万人に上る来場者は27日現在、約3万5千人にとどまる。管理する市みどり生きもの協会は「夏休みの短縮に加え、感染リスクを考慮して利用を控えた人もいるのではないか」と話す。

 一方で、海や川での事故が相次いだ。第6管区海上保安本部が管轄する瀬戸内海と宇和海でのマリンレジャーに伴う人身事故は、今月16日までの1カ月間で前年同期比13件増の28件発生し、過去5年で最多の7人が死亡した。「密」を避けて釣りなどを楽しむ人が増えたことが一因とみられる。

 長雨と猛暑は野菜の生育を直撃した。スーパーではレタスやキャベツの店頭価格が一時、昨年の倍以上に高騰する店もあった。群馬、長野県などの産地が天候不順だったレタスは、広島市中央卸売市場(西区)の卸値が昨年の3倍強となる1キロ500円に達した。消費低迷を懸念するスーパーは、野菜の小分け販売などの対応に追われた。

 盆明け以降、平均卸値は下がっているものの、今後も台風などで再び高くなる恐れがある。安佐南区のスーパーで買い物をしていた女性(74)は「野菜は毎日食べるので買わざるを得ない。値段が高い状況が続いたら困る」とため息をついた。(藤田龍治、加田智之) 

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