共同危険行為疑いで福山の高校生ら3人逮捕 SNS通じ暴走計画を共有
バイクによる危険な運転を集団で繰り返したとして広島県警少年対策課と福山西署の合同捜査本部は31日、福山市内の工員(19)、高校生(17)、高校生(16)の少年3人を道交法違反(共同危険行為)の疑いで逮捕した。
逮捕容疑は、4月28日午前3時半ごろ、他の少年6人=同容疑で逮捕=と共謀し、市内でバイク2台とミニバイク3台を並走させ、蛇行運転を繰り返した疑い。3人はいずれも「間違いない」と認めているという。
同署などは6〜7月に、逮捕された3人と同じグループの少年を含む4人を道交法違反(共同危険行為)の容疑で逮捕している。
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福山市内の少年計13人が道交法違反(共同危険行為)の疑いで逮捕された事件は、大半の少年が会員制交流サイト(SNS)でつながり、グループ内の上下関係は緩やかであるなど従来の「暴走族」像とは異なる面が浮き彫りになった。福山西署によると、組織の全体像や中心人物などの全容が把握しにくい特徴があったという。
同署によると、少年らは夜になると、佐波町や明王台周辺の路上や住宅街をバイクで並走し、蛇行運転などを繰り返していたという。バイクは大きな音が出るように改造しており4月以降、住民から騒音などの苦情の通報が増加。署員がパトカーで追跡しても、バイクで路地に逃げ込むなどの行為を繰り返していた。
同署の調べでは、暴走していた少年の多くは市内の高校生。無料通信アプリLINE(ライン)などを通じて知り合い、25人ほどまでに集団化したとみられる。「西音會(せいおんかい)」と名乗り、共通のステッカーをバイクに貼るなど、一定のまとまりはあったものの、トッコウ服など服装の統一などといった従来の暴走族の特徴はなかった。SNSを通じて集合場所や時間などの計画を共有し、集会などは開いていなかったという。
同署は7月末までに「総長」と名乗る少年から解散届、メンバー11人から脱退届を受理した。ただ、同署の調べでは、少年らは明確な上下関係はなく、緩やかな横のつながりで形成されていたとみられる。同署は、SNSの履歴がたどれる一方、指揮系統は明確でなく、全体像の把握が難しい面があったとしている。
県警少年対策課によると、暴走族は暴走行為をする目的で上下関係を持って組織化し、常習性があるなどの定義がある。県内では1999年の428人をピークに徐々に減少。2015年以降、暴走族に認定された集団はいないという。同課は「今回のグループが暴走族として言えるかどうかも調べる」としている。
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