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育鵬社の社会科教科書、山口県教委が採択 岩国など3市町教委も

2020/9/1 22:13
育鵬社の教科書採択を巡り、守山教育長(左)に抗議文を読み上げる西原代表

育鵬社の教科書採択を巡り、守山教育長(左)に抗議文を読み上げる西原代表

 山口県教委と岩国市など県内3市町教委は1日、公立中学校の社会科で育鵬社の教科書を使うと発表した。歴史認識などで保守色が強いとされる同社の教科書を巡っては反対意見も強く、中国地方5県で採択は山口だけとなっている。

 県教委によると、2021年度から4年間使う歴史と公民の教科書。県立の高森みどり中(岩国市)と下関中等教育学校(下関市)は歴史と公民、岩国市と下関市、和木町は歴史の教科書を使う。岩国市と和木町は12年度から同社教科書を選び、下関市は初となる。

 県教委は選定理由をホームページで「郷土に誇りと愛着を持ち、グローバルな視点で社会に参画する人を育てるための資料が充実している」と説明する。これに対し全国の社会科教員約400人でつくる「地域から考える世界史プロジェクト」代表で県立高の藤村泰夫教諭は「宗教や革命などに関する記述が偏り、生徒が一面的な理解に陥る恐れがある」と懸念。県教委の浜崎美幸義務教育課長は「文部科学省の検定を通っており問題ない」と話す。

 岩国市でもこの日、市民団体「岩国の教育を考える会」の西原孝夫代表たちが「日本の侵略戦争を正当化している」と市教委に抗議文を提出。守山敏晴教育長は「歴史事実が多面的に記述され、人物の取り上げ方も丁寧。子どもが関心を持てる」と応じなかった。

 中国地方の他4県のうち岡山、島根では全県で使われないことが決定。広島と鳥取も両県教委によると、採択見通しはないという。(山下美波、坂本顕)

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