自民党員に募る不満、地方の声はどこへ… 河井事件/総裁選党員・党友投票見送り
2020/9/1 22:51
自民党が1日、総裁選で党員・党友投票を見送る方針を決めたのに対し、実施を求めてきた議員からは今後の党員獲得を不安視する声が上がった。昨夏の参院選を舞台にした大規模買収事件で元法相の河井克行被告(広島3区)と妻の案里被告(参院広島)の支部に党本部が提供した1億5千万円を巡っても党員から不満が出ている中、地方の声を十分にくみ取らない判断となった。
「負けた。全国の皆さんの声に応えられず申し訳ない」。
小林史明青年局長(広島7区)は総務会後、悔しさをあらわにした。国民の声を広く反映できる党員投票の実施を求め、小林氏や小泉進次郎環境相ら党内の若手・中堅議員有志は前日、二階俊博幹事長に申し入れていた。
小泉氏は閣議後の会見で「総裁選に投票できる権利があるから4千円を払って党員になっていただいている。(投票できないなら)説明するのは執行部の責任」と述べた。
総務会ではこれまでに、大規模買収事件に関して特定の候補者に巨額資金が提供されたことに党員の間には不満が募り、党費納入を伴う党員集めが「大変厳しい状況」との報告や、党執行部に説明責任を果たすよう求める意見が出ていた。
広島県連会長の宮沢洋一氏(参院広島)は「元々、河井夫妻の事件で県内の党員に党本部への不満がある」と指摘。党員・党友投票の見送りは「(党員集めに)プラスではない」とみる。総裁選では県連に割り当てられた3票で「党員の気持ちをしっかり承っていきたい」と話した。(桑原正敏、中橋一誠)
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