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公道で自動運転サービス 島根・飯南で長期住民利用実験

2020/9/2 20:04
自動運転サービスの実験を前に試乗する住民

自動運転サービスの実験を前に試乗する住民

 国土交通省は島根県飯南町で進めている自動運転サービスの実証実験で、40日間の長期にわたる公道での実験を始めた。町役場隣にある道の駅「赤来高原」を発着点に2ルート設け、住民たちに乗車券の購入と実際の利用を呼び掛ける。安全性や収支を確認し、運行管理の仕組みづくりに生かす。将来的には町がサービス提供を目指す。

 実験は1日から10月10日まで。赤名宿ルート(約2・7キロ)は役場や郵便局と、住宅地を巡り、1日9便ある。観光客向けのリンゴ園ルート(約1・5キロ)も2便設けた。乗車代は1回200円で、住民たちは道の駅の受付で利用者登録し、事前に予約すれば乗れる。

 車はヤマハ発動機製の定員6人で、実験中は最大で時速12キロにとどめる。ルートとなる公道に埋め込んだ誘導線の磁力を、車体にあるセンサーが感知して自動で走行する仕組み。障害物を捉えるカメラ機能を備え、不意の停止もできる。乗務員が乗り込み、緊急時にはハンドル操作をする。

 8月下旬に道の駅と周辺で試乗会を開いた。山碕英樹町長は「多くの住民に乗ってもらい、データを集めたい。安全性を確認し、一刻も早い実用化を目指す」と話す。町は並行して運行方法や経費面など、仕組みの検討を進める。試乗した住民からは乗り心地は良かったとする一方、「乗車代が高い」「決まった路線だと不便」「30分に1本は少ない」などと早速、注文する声が上がった。

 町では町営バス、予約型のデマンドバスが走るが、運転手の確保や利便性などで課題がある。国交省松江国道事務所の藤田修所長は「中山間地域での高齢者の移動手段のモデルにしたい。地域の活性化だけでなく、交流の機会を増やすことにもつながる。町の運営を支援していく」と話す。

 実験は内閣府戦略イノベーション創造プログラムの一環で、2017年度から飯南町を含めて全国18カ所で開始。うち今回のような長期の実験は、7カ所で実施されている。当初は20年の実用化を目指していた。(高橋清子)

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