被服支廠の耐震化、減額の可能性 広島県、強度を再調査へ
広島市内に残る最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)で、保存・活用に1棟当たり33億円と見込む耐震化費用をより安くできる工法を探るため、広島県が建物の強度の再調査に乗り出す方針を固めたことが3日、分かった。建物本体を構成するれんが塀の強度を調べたところ、2017年の前回調査の想定を大きく上回ったため、費用を大幅に圧縮できる可能性が出てきたという。
被服支廠を巡っては、被爆者団体などが国所有の1棟を含めた全棟の保存を求める一方、その実現には巨額の費用をどう手当てするかが最大の課題となっている。県は、これらの状況を勘案して昨年12月、安全対策の原案として「2棟解体、1棟の外観保存」を公表した後、着手を先送りしていた。費用を大幅に減らせるとなれば、存廃議論に大きく影響しそうだ。
複数の関係者によると、県が被服支廠の安全対策の一環としてれんが塀の強度を調べたところ、その数値が前回調査の想定値を大きく上回った。それに伴い、耐震化費用が大幅に減る可能性が出てきたため、建物の強度を再調査する必要があると判断したもようだ。
再調査の結果について検証を進めるため、県は歴史的な建物の保存などに詳しい大学教授たちでつくる有識者会議を年内に設ける考え。保存方法などに関する最新の知識や、被爆建物としての価値、文化財指定の可能性も探るとみられる。
県はこれらの取り組みに必要な費用を20年度一般会計補正予算案に盛り込み、18日に開会する予定の県議会定例会へ提出する方向で最終調整している。
被服支廠の存廃は、被爆75年のこの夏、注目が集まった。自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟のメンバーが7月31日、県庁で湯崎英彦知事と会い、国の1棟を含む全4棟のうち「相当数」を残すべきだとの考えを伝達。議連は県所有の3棟を約30億円かけて保存する案をまとめている。
8月6日の原爆の日には、安倍晋三首相(山口4区)が平和記念式典に参列した後の記者会見で「県の議論を踏まえて国としてしっかり対応する」と言明。被爆者援護行政を所管している自民党の加藤勝信厚生労働相(岡山5区)が同日、現地を視察した。(樋口浩二)
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