「拙速」「配備に先走った」 地上イージス断念経緯公表 山口知事らから批判相次ぐ
2020/9/4 21:59
「拙速だった」「配備に先走った」―。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について防衛省が計画断念の経緯を公表した4日、候補地だった地元山口県の首長からは批判が相次いだ。賛否を巡り地域をゆるがせた揚げ句、防衛省が米側から裏付けを取ることなく「安全」と言い続けたことが明らかになり脱力感も漂った。
村岡嗣政知事は、防衛省が米との協議と地元説明を同時並行していたことに不快感を示した。「地元は安全安心の確保が最も重要。そこに決定的に関わる事柄の確認が不十分なまま説明されていたのは大変遺憾。防衛省の大きなミスだ。しっかり改善してもらいたい」と険しい表情だった。
検証結果では防衛省内の配備検討の体制が不十分だったと組織としての問題も明らかになった。村岡知事は「これだけの大きな話だ。最初から体制を整えて始めるべきだった」と批判した。この日は午前8時半ごろ河野太郎防衛相から電話があり、改めて地元への説明を求めた。
萩市の藤道健二市長は「(計画を停止した)河野大臣の判断は適切だった」とした上で「日本の防衛施策について理解していただけに、慎重さ、誠実さを欠いた。防衛省は組織的に反省し、きちんと国を守ってほしい」と求めた。
一方、3人の首長の中で一貫して反対を訴えてきた阿武町の花田憲彦町長は「配備したい思いが勝ちすぎたのではないか。こんな大事なことを気持ちだけで進めたのは責められるべきだ」と強調した。(渡辺裕明、中川晃平)
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