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老舗食堂「稲田屋」が今月閉店 「福山のソウルフード」関東煮など人気、知人継承へ

2020/9/5
23日昼の営業をもって閉店する稲田屋

23日昼の営業をもって閉店する稲田屋

 大正期から約100年続く福山市船町の大衆食堂「稲田屋」が23日昼の営業をもって閉店することが5日、分かった。稲田正憲社長(66)の体調不良が理由で、新型コロナウイルスの影響による客の減少が追い打ちとなった。店名とメニューは知人が引き継ぎ、別の場所で再開するという。

 5代目稲田社長の曽祖父が1919年ごろに創業したと伝わる。同市加茂町出身の井伏鱒二が旧制中学時代に訪れたという逸話が残る。ホルモンを甘辛く煮込んだ「関東煮」は昭和初期からの看板メニュー。牛肉と豚肉が載った「肉丼」も人気で「福山のソウルフード」と呼ぶ人もいる。

 ただ、長年の立ち仕事のため、稲田社長はここ1年ほど膝の関節痛に悩まされてきた。新型コロナの感染拡大によって、客は4月から半減の状態が続く。常連客たちが定年を迎え、昼食や飲み会の利用が減ったことも響いた。

 閉店を聞き付け、味を引き継ぎたいと希望する人も既に複数いるという。そのうち1人には店名も譲る。稲田社長は「来年は代替わり30年の節目だったので残念だが、もう体が限界。熱意のある人に伝統の味を引き継いでもらう」と話した。(菅田直人)


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