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GoTo東京追加方針に集客期待、感染不安も 中国地方、安心提供へ対策

2020/9/11 23:00
修学旅行生や観光客が戻りつつある宮島の表参道商店街。「Go To トラベル」の東京追加には複雑な声も上がる

修学旅行生や観光客が戻りつつある宮島の表参道商店街。「Go To トラベル」の東京追加には複雑な声も上がる

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」の対象に東京都が追加される方針が決まった11日、中国地方の観光地の関係者からは「地方への誘客が増える」との期待の声が上がる一方、受け入れによる新型コロナウイルスの感染拡大への不安を訴える意見もあった。人の往来がより活発になることを見越して、感染防止策の強化を進める宿もある。

 「うれしい気持ちが7割、不安な気持ちが3割」。世界遺産の島・宮島(廿日市市)のホテルみや離宮の土居裕明支配人は複雑な心境を明かす。

 新型コロナの影響で一時休館を強いられたが、Go To トラベルなどの観光支援策で7月から稼働率は上向く。ただ「3密」を避けるため、提供する客室を通常より減らしており、本格回復には至っていないという。「東京からお客が増えるのはありがたい。でも、もし人が増えて宮島で感染者が出たら、と考えてしまう」

 尾道国際ホテル(尾道市)の寺岡靖治支配人は「東京が対象になることは大きい」と期待を膨らませる。昨年の宿泊者の約4割が東京を含む首都圏。ことし8月の宿泊者数は昨年の5割程度だが、その半数以上が「Go To」の利用者で効果を実感しているという。「東京からの宿泊者がすぐに回復するとは考えにくいが、他のエリアからも旅行しやすい気持ちになるのではないか」とみる。

 錦帯橋のある岩国市観光協会の光広雅治会長は「新型コロナの感染拡大が続く地域なので、もろ手を挙げて賛成はできないが、東京からの観光客数は大きいのでありがたい」と受け止める。例年、市の首都圏からの観光客は全体の約2割。ただ今年は、近場での観光を楽しむマイクロツーリズムが広がっており、東京の追加で「どれくらい増えるかは未知数」と話す。

 観光客の回復へ向けて感染症対策を強化する動きもある。宮島の旅館・錦水館は、食器の高温殺菌や空気の入れ替え、部屋食などの感染症対策を動画にまとめ、ホームページでアピールする。さらに今後、大浴場の入り口にセンサーを設置し、部屋にいながら浴場の混雑度をスマートフォンなどで確認できるサービスを追加する予定だ。

 「これからは『安心感』が最大の武器。人の往来が増えても、密にならず、快適な空間をつくって厳しい時代を乗り切りたい」と武内智弘社長は述べる。(東海右佐衛門直柄、田中謙太郎、坂本顕)

 <クリック>Go To トラベル 新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ観光需要の喚起策。関連予算は約1兆3500億円。国内の宿泊、パック旅行、日帰りツアー代金の50%を国が支援する。東京都内で感染者数が突出していたことを受け、都民の旅行などを対象から外して7月22日から始まった。10月1日から、対象に都民の旅行と都内への旅行が加わる。 

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