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育ちすぎたヤシの木、惜別 高度成長期の名残、周南で伐採始まる

2020/9/15
ヤシ並木の伐採が始まった周南市中心部の県道

ヤシ並木の伐採が始まった周南市中心部の県道

 周南市は15日、市中心部の県道沿いの街路樹のヤシの伐採を始めた。山口県と共同で数年かけ全約130本を切り倒す。高度成長期に全国で南国ムードの演出に相次いで植えられたが、高く育ちすぎて倒木の危険があるため伐採する自治体が相次いでいる。

 初日は同市新宿通付近でクレーン車を使い、高さ約15メートルのワシントンヤシ4本を切った。18日までに16本切る。市が管理する残り34本は来年度以降に伐採する。県も本年度から年10本程度のペースで83本切る。ヤシ並木近くに暮らす中津井満さん(68)は「地元ならではの景観だったのでさみしい」と作業を見守った。

 市によると、ヤシは1960年ごろに植栽。当初は高さ3、4メートルだったが、現在は20メートルを超える木もあり、高所作業での枝打ちに維持費がかさむ。強風ではがれた皮が車を傷つける被害も出る。市公園花とみどり課の河村直課長は「通行に支障があり、市民から苦情も多い」と説明する。

 ワシントンヤシは、戦後のモータリゼーションに伴い原産地の米西海岸の景観へのあこがれから多くの地方都市が街路樹に採用。しかし周南市と同様、管理に苦慮する自治体は多い。別府温泉がある大分県別府市は1990年代末に約750本をすべて伐採。高知県も高知市の11本を切った。一方、新婚旅行ブームの1960年代に植えた宮崎市では南国を象徴する観光資源として国土交通省が国道沿いの約840本を若いヤシに植え替えている。(川上裕)

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