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広島県内3大学生の17%、食費1日500円 生協連調査、コロナで収入減か
新型コロナウイルス禍の中、広島県内の大学生の2割弱が1日の食費を500円未満に抑えている―。生活協同組合が入る県内3大学が参加した調査で、そんな実態が浮かび上がった。県生協連合会(広島市中区)はアルバイト先の休廃業などが影響しているとみて、1人暮らしの学生に食品を届ける応援プロジェクトに乗り出す。
調査はコロナ禍が学生に与える影響を探るため、全国大学生協連(東京)が7月に実施。県生協連が、県内で参加した広島大(東広島市)広島修道大(安佐南区)福山市立大の計348人分のデータ提供を受け、独自にまとめた。
3大学の学生の平均的な1日の食費は「700円未満」が最多の87人(25・0%)。「500円未満」は59人(17・0%)で、合わせると「700円未満」が全体の4割余りを占めた。感染拡大に伴う食費の増減では、147人(42・2%)が「変わらない」とした一方、70人(20・1%)は「減った」と答えた。
総務省の2019年の家計調査によると、単身世帯の「食料」の支出金額は1日平均1455円。
アルバイトに関する質問(複数回答可)では、収入が「大きく減った」「少し減った」が計97人。「バイトしたいが一度もできていない」と答えた人は112人に上った。
自由記述では「コロナの影響で親が派遣切りに遭った」「バイト先がつぶれた」との声も。前期の授業がオンラインだったことを踏まえ、「施設を使っていない分、学費の返還を」と訴える学生も目立った。
県生協連の高田公喜専務理事は「特に新入生は精神的な苦痛が大きい」とみる。大学でできた友人の数は、95人(27・3%)が「5人未満」、58人(16・7%)が「0人」と回答。「1日に人と話す回数がゼロに近く、孤独感がある」「ずっとパソコンとにらめっこで気分が落ち込む」と記述した学生もいた。
こうした結果を受け、県生協連は10月に順次、調査に参加した3大学を含む県内6大学・短大に食品を無償提供する。JAグループなどの協力を得て計2千人分の新米(1人当たり2キロ)を用意。缶詰やレトルト食品、菓子も集め、各大学を通じて希望する1人暮らしの学生に届ける。高田専務理事は「共助の精神で苦境に立つ学生をサポートしたい」と話している。(田中美千子)
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