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ツキノワグマ、果樹園狙い侵入 三次・作木の農園で計6日撮影

2020/9/17
三次市作木町香淀のナシ農園内をうろつく成獣のツキノワグマ=8月28日午後8時57分(広島県提供)

三次市作木町香淀のナシ農園内をうろつく成獣のツキノワグマ=8月28日午後8時57分(広島県提供)

 三次市作木町香淀のナシ農園に侵入するツキノワグマの映像を、広島県の監視カメラが捉えた。農園では収穫期を間近に控えた8月上旬から、クマにナシの実をもがれたり、枝を折られたりしたとみられる被害が相次いだ。庄原市比和町木屋原の果樹園でもクマの侵入とモモの食害を確認しており、農家は警戒を強めている。

 作木町の農園にカメラを置いた県北部農林水産事務所(庄原市)などによると、クマの姿をカメラが記録したのは、8月26日から9月5日までの計6日間。いずれも夜間にクマ1頭が園内や周辺をうろつく姿を撮影した。

 同農園では8月上旬に食害を初めて確認。約3ヘクタールの畑をトタン板や金網で囲って警戒していたが、障害物を折り曲げて侵入した動物に枝を折られる被害が相次いだ。

 三次市農政課によると、作木町内での4月以降のクマの目撃は8月末までに27件。前年同期の12件から倍増し、市に記録が残る2015年度以降で最も多い。今期から農園長の河野隆幸さん(51)は「収穫目前のナシが次々に狙われ、全滅も覚悟した。これほどの被害は聞いたことがない」と話す。

 同農園では、8月下旬までに収穫を終えた幸水など3品種の収量が、春の低温や梅雨の長雨にクマの食害が加わって前年比72・1%減の3・6トンにとどまった。9月中旬から収穫が本格化した主力の豊水も、同様の収量減を見込む。

 庄原市比和町の果樹園では8月下旬から9月上旬にかけてモモの実をもがれたり、木の幹を根元から折られたりする被害があった。クマの侵入を目撃した園主の白根浩治さん(38)は「4、5年前から晩秋にリンゴの枝を数本折られていたが、夏場の被害は初めて」と驚く。

 広島県によると、19年度の農業分野の鳥獣被害額は約4億7600万円。イノシシが7割強を占め、クマは約60万円にとどまる。20年4〜7月の県内のクマの目撃件数は、前年同期より82件多い385件と大幅に増加している。

 出原寛之・農業技術課長は「リンゴや柿の収穫が本格化する秋は、冬眠前のクマが餌を求めて動き回る。電気柵を巡らせるなどの対策強化が必要だ」と呼び掛ける。(高橋穂)

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  • ツキノワグマに枝を折られたナシの木を確認する河野さん

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