中3死亡、広島市を提訴 遺族「いじめ対応不適切」
2020/9/17 23:42
2017年7月に広島市佐伯区の市立五日市観音中3年(当時)の女子生徒が遺書のような手紙を残して自ら命を絶った問題で、生徒へのいじめを巡る学校の不適切な対応が自死につながったなどとして、遺族が市を相手に約5千万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こしたことが17日、分かった。
訴状などによると、女子生徒へのいじめは小学校の時から続き、中学校に入っても悪口や暴言、からかいなどが日常的にあった。複数の教員はいじめの存在を認識していたものの、中学校はいじめ防止委員会で検討せず組織的に対応しなかった。17年7月24日、女子生徒が中学校の敷地内で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。
遺族側は、中学校が小学校から女子生徒への対応、支援に関する引き継ぎを求めず、いじめに組織的に対応する義務を怠った違法行為があったと指摘。中学校には予見可能性があったとし「違法行為がなければ、いじめの継続を防ぎ、十分なケアもできた。重大な結果を避けることは可能だった」とし、中学校の対応と自死に相当の因果関係があると主張している。
この問題で市教委が調査を諮問した第三者組織は18年12月、「いじめが死亡の主な原因になった」とする検討結果を答申した。答申では、女子生徒が小学校低学年から悪口や嫌がらせを受け、中学3年になっても「死ね」などの暴言が続くなどいじめが深刻化したと指摘。その上で中学校がいじめだと認知しておらず、学校側の理解や対応が行き届かなかった点も死亡に影響を与えたと認定した。
市教委の横山善規・いじめ対策推進担当課長は「原告の主張を踏まえ、対応を検討中」としている。
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